ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

今日はなんの日

 今日は皇太子さんの誕生日だそうだ。47歳だそうで、それで昨日会見があったんだそうだ。やっぱり雅子さんのことが話題になったと伝えられている。お出かけやなにかで公のところに出るたびに「なんだ、できるじゃないか」といったニュアンスのことが週刊誌なんかで語られたり、そんなわがままは許されんなんていったニュアンスが語られたりする。本当にお気の毒そのものだと可哀想なことである。

若い人

 いよいよ2月も最終金曜日となってしまった。時間が経つのはとても速い。この場に及んで今更いってもなんにもならないような気がするがあっという間に一週間は過ぎる。今日は1999年に同級生となった若い人たちと久しぶりに会う。彼らも社会に出てもう4年目となる。この辺でいろいろなことが見えてくるらしくて、方向転換を図る人がちらほら見えてくる。

中途半端

 インサイド取引総裁の日銀が折角利上げ!を宣言したというのに円安は続く。その後の利上げなんてどうせないんだから円なんかにつぎ込むのはバカみたいだからこっちじゃなくてあっちだろうと。それを良しとして株価は右肩上がりになっている。森永卓郎は、いつか突然円高に振れるってことがあり得るってことだといっている。どうでも良いけれど、ユーロ高いよぉ〜!

野党への刺客

 「建築家が都知事になったらこれは怖い」のだろうか。現知事は建築家の立候補会見に際してそういっている。小説家にそんなことはいわれたくない。お二人の間で丁々発止のやりとりなのかも知れないけれど、この建築家の立候補によってとっても中途半端なことが起きるのではないか。反・小説家陣営(勿論私もこっちに与するのだけれども)としてはこの建築家の動きで票が割れることが充分考えられる。ひょっとして「花道を用意してやる」といっているけれど、これは「反小説家」の力をそぐための非常に巧妙な仕掛けなんじゃないのか。枝野を出せ、枝野を!

ええ加減に千回(せんかい!)

 不倫小説の渡辺某はラジオ・テレビに出まくりで今日も昼下がりのFM-東京なんかにまで出てくる。こんなものを取り上げまくるマスコミに大きな責任感なんてないんだろうな。世の中こんな日陰に蠢くべきむちゃくちゃ小説をおおっぴらに取り上げてヨイショしまくる倫理観に満ち満ちているってことなんだろうか。TBSのストリームにご出演の豊崎由美の鋭い舌鋒を良く聴けっての。

昨日の衆議院予算委員会

 キャノン宇都宮の請負労働者の方が公述人として約9分間意見を述べた。民主党の枝野が先日の予算委員会でキャノンの御手洗会長を参考人として呼ぼうじゃないかといっていたことから、彼の計画が一歩一歩前に向いているのか。都知事選に出ないかなぁ、枝野君!

大野秀之公述人:労働組合キャノンユニオン・宇都宮支部支部
 宇都宮市にあるキャノン光学機器事業所で請負労働者として働いている。現場で働く派遣、請負、パート労働者を代表する思いできた。非正社員で働く現実を率直にお話ししたい。偽装請負、格差、労働者派遣法改正について感じていることを述べさせて頂きたい。新年度予算に格差是正のために検討して頂ければと思う。
 キャノン宇都宮の周囲にはホンダ、ミツトヨカルビー松下電器、日本たばこといった大きな会社の工場が目白押しである。地元での雇用情報は非正規社員募集が主流。キャノンの宇都宮工場では従業員は8000人のうち半分が派遣、請負といわれている。キャノン全体では全国には2万人を超える派遣、請負がいるようだ。宇都宮工場ではステッパー、半導体露光装置という機械の核となる部分に搭載される特殊なレンズの研磨・測定を担当。この職場は非正社員と派遣が共同して10年前に立ち上げた職場。ステッパーとはあらゆる電子機器に搭載されるICにカイロを焼き付ける機械で世界で三社しか製造できない人間が作ることのできる最も高精度機械。一台数億円から数十億円するそうです。
 この技術の核となるレンズは100万分の1ミリ単位。誤差をそこまで縮める技術や、熟練した技術が必要。キャノンのレンズ精度レベルは世界最高レベル。満足した規格になるのには約三日から二週間かかる研磨のものもある。開発を担当する正社員との連繋を必要とし、請負に製造するには向かない製品である。正社員からの直接指揮命令を受ける必要があり、請負契約では違法の状態。現場の労働者は20代前半から40歳、勤続年数は数ヶ月から10年で、長期間勤務者もいるが、三ヶ月から半年の短期間契約を継続して勤務。現場は365日24時間稼働シフト。昼勤務は0800-2030、三日働いて三日休み夜勤務は2020-0810、三日働くというシフト。勤務は11時間たちっぱなし。体調崩すもの多し。月給制度だが、昇級は全くない。年収あがらず。年々新しく職場に入る人の年収は下がっている。昨年入った人は月収22.5万円、年収270万円でボーナス、退職金なし。景気回復傾向といわれても全く実感なし。むしろ請負、派遣労働者の待遇は日に日に悪くなっている。有給休暇はあるが、月に二日という制限がある。三日以上有休を使うと欠勤扱い。以前は同じ職場で異なる五つの派遣企業からの労働者が入っていたが派遣条件が違っている。
 2006.07キャノン大分の偽装請負朝日新聞が報道。外部要員適正化委員会。キャノンの姿勢を喜んだ。ところが請負契約会社から請負を派遣に戻すと通告。会社側からの説明は一切なく、派遣→請負→派遣へとコロコロと待遇は変わった。疑問を抱き、東京ユニオンに相談。組合からのアドバイスで、まず正社員に相談。やりがいがある仕事だから正社員になってこの仕事をやりたい。将来の生活設計が立たない。どんどん退社しており、レンズ製造に影響がある。その正社員はちゃんと聴いてくれ、嬉しかった。しかし、まずは新製品の立ち上げをやって欲しいという本音をいわれただけだ。具体的な答えはなかった。
キャノンは私たちのことを考えてはいないと思い、もっと上の人に話さなくてはならないと感じた。
 その頃10年勤務している職場の仲間が仕事を辞めて派遣社員キヤノン中途採用している採用試験を受けたいといった。友人が採用されるらしいと。求人広告にはキャノンの中途採用にはこれまで請負、派遣で働いた人間は正社員採用試験を受けることができないと明記されているし、職場でも非正社員の中にはそれが常識化している。
 正社員になれる話もなく、請負から派遣に戻すとまでいわれたので、これまで長いことをかけて築いてきた職場での誇り、職場の友人たちとの友情を崩さない、会社の上層部の人に話を聞いて貰おうということで7人で東京ユニオンに加盟。2006.10.18下丸子の本社に勇気を振り絞り正社員化を求める団体交渉申し入れ。請負会社と雇用契約しているのだから、キャノンは団体交渉する義務がないと話し合いも拒否。偽装請負の事実についても認識していないと。偽造請負の有無はともかく、勤続7-10年の私たちとの話し合いの場すら作って貰えないことにショックを受ける。私たちの存在を否定しているかのようであった。キャノンは今も私たちの団体交渉を拒否している。悲しみも怒りも感じている。それでも私たちはキャノンを好きでだからこそこの会社で働いていきたいと思っている。キャノンが話し合いに応じてくれることを信じている。
 栃木労働局に偽装請負の申告書を提出。理由は偽装請負で長期間働いている。派遣法に基づいてキャノンに是正指導をして欲しいということである。これは解雇を想定しての自分の命をかけた申告である。労働局に労働者、職場の危機的状況を伝え、救って欲しいことを伝えたかった。申告翌日から正社員は机ごと職場から移動。さも請負契約が成立しているかの如くに変更された。
 その後4ヶ月経つが、未だに労働局からはなんの指導もない。なぜこれほど時間がかかるのか、相手がキャノンだからなのかと考え不安である。職場には新たに未経験の正社員が大量に配置。私たちのクビを切る準備かも知れない。偽装請負を行っていた企業に労働局はどの様な指導を行っているのか。雇用の確保を守った上で正しい契約に是正するように、ということがわかりました。こうした指導は厚労省が統一見解を示していると聞いている。正しい契約に是正するようにということは職場が改善して請負が正しく行われているのであれば請負契約が継続されますし、請負が無理ならば派遣になるだけの話。
 製造業の派遣は今月末までは一年間の期間制限があり、一年を越えて派遣労働者を使用する場合、派遣先企業には派遣労働者に対して直接雇用の申し入れ義務が課せられています。ところが偽装請負の場合、発注会社と受注会社間で請け負い契約がかわされているため、就労実態が労働者派遣であるにもかかわらず一年以上偽装請負状態で働かされた労働者に対してこの直接雇用の申し込みが適用されないということであれば到底納得できるものではない。今偽装請負が社会問題化しているが、こんなことがまかり通るのであれば、一生懸命働いてきた労働者だけが損をして安いコストで労働者をこき使ってきた企業だけが儲かってしまう。是非、公正労働省、各都道府県の労働局には偽装請負で働かせられてきた労働者に労働者派遣法を適用して企業が直接雇用するというような厳正な指導をして頂けますようにお願いします。そうでないと労働者の真の救済にならないからです。
 1986年に施行された労働者派遣法は法改正の度に規制が緩和され対象業務が拡大し、製造業への派遣まで認められるようになった。そのため企業は次々に派遣労働者を投入し、先ほど申し上げた私の職場のように低賃金でいつまでも、クビを切れるように、一ヶ月から三ヶ月という細切れの契約を労働者と結びかわしています。何年働いてもボーナスや退職金も支給されず交通費さえ支給されない派遣労働者がほとんどです。
 こうした劣悪な労働条件で働く請負や派遣労働者の砦となるのが先に申し上げた派遣先の直接雇用申し込み義務や派遣期間の制限です。こうした法律があることによって少しずつですが、いくつかの企業が派遣や請負から正社員登用をする企業が出てきており、そうした報道を見るにつけ、私たちには希望が持てるのです。しかし、残念ながら経団連会長である御手洗会長は、キヤノンの会長でもあるわけですが、直接雇用の申し込み義務、そして派遣期間制限の撤廃を要求しています。御手洗会長は派遣期間制限を撤廃することが派遣労働者の雇用安定に繋がるといっているようだけれども、私たちにはいつまでも使い勝手が良く、派遣労働者のまま低賃金で、派遣先がなんら雇用責任を負わず労働者を使用させろ、とまるで奴隷のように働けといっているようにも聞こえます。私たち請負派遣労働者は生身の人間です。正社員と同じ仕事をしているのならば同じ賃金を貰いたい、安心して子供を産みたい、子どもに充分な教育を受けさせたい、育ててくれた親の面倒を見たい、そして自分自身も社会に貢献しながらしあわせな老後を送りたい。
 こんなことを云うと、それならば正社員になればよい、と簡単に言う人もいますが、現実はそんなに甘くありません。私は32歳ですが、十年前は就職氷河期まっただ中でどこの企業も正社員採用には消極的でしたし、また派遣・請負の多い北関東という地域性などもあり、正社員に成りたくても成れないということでやむを得ず非正社員という雇用形態を選択せざるをえないというのが現実でした。私たちのように一度非正社員の道に入り込んでしまうと正社員の道を歩み始めるのがとても困難だということを知って下さい。
 そのためには派遣・請負・パートなどの非正社員の長期的雇用の安定的確保など、正社員登用制度、正社員との均等待遇など具体的な待遇改善に繋がる法的整備をして頂きたいと切に願います。そうしたことが格差社会の解消に繋がると信じています。ちょっとはみ出してしまいましたが、ご静聴ありがとうございました。
<質疑>
民主党・枝野:派遣、請負が物作りの現場において行われているということについて、私もキャノン宇都宮を勉強するまで誤解していたかも知れない。大野さんの仕事は世界に冠たる日本の技術の中核となる、しかもすぐにできはしない熟練技術を必要とする仕事ではないか、と受け止めた。まさに中核部分が請負、非正規社員によって行われていることを感じた。
大野:入社したのは7年前でしたが、正社員に直接教えて貰い、厳しく、高価なレンズの取り扱いについても全て教えて貰った。大変なものを造っているんだなと云うことを認識し、三ヶ月は実際には勉強の日々。派遣は簡単な仕事をやるのかと思っていたが、こんな難しい仕事をやらせて貰えるのかと嬉しかったし、楽しく、誇りを持って取り組んできた。機械を扱える程度が三ヶ月だけれど、実際に一人前になるには三年かかるという、神経を使う、難しい内容だとわかって頂けるでしょうか。
枝野:組合の支部長という立場で、東京ユニオン関連でも途中でやめさせられたというケースもあるようですが、教えて下さい。
大野・事務系は三年務めると派遣止め、中には15年働いて終わりというケースもある。
枝野:キャノンの正式社員セミナー開催というチラシがありますが、これは今年の1月ですか?
大野:今年の広告です。
枝野:そうすると皆さんが立ち上がって正社員にしてくれと、お願いし、労働局に訴え、御手洗会長が偽装請負はしないと宣言したそのまた後の話ですね。
大野:そういうことです。今も変わっていないということです。
枝野:物作りの職人、エンジニアの立場として、キャノンに限らず同じようなことが起きていると一般的にはいわれている。大野さん自身も三ヶ月をかけて機械を動かせるようになり、三年で一人前となったと聞くが、日本の経済が日本の物作りのこうした技術に支えられている点が重要だけれども、こうしたことが日本各地で起きているであろうことを考えるとどう思うか。
大野:大事なところを任されているが、どこの職場でも同じことが起きているということを目にする。良い製品を作ろうと日々努力していますし、やりがいがあることだと思う。しかし、年々賃金も下がってきて、最近入ってくる人とは大きな差があり、仕事を教えていっても伝承しようとしても伝えきれないままやめていく。自分でも不安を抱えている状況で、これでは物作りに影響を与える。これから先物造りが徐々に壊れつつあるのではないかという気がする。
共産党・塩川:非正規と正規が一緒に作業。「完全な請負」を目指すといっているそうだけれども、完全なる請負に対する現場はどうなっているのか。
大野:完全な請負を目指すということで、正社員の机を動かし、床にラインを引き、二者の請負を色分けし、こっちの請負会社、あっちの請負会社というわけ、共有設備と明示されるようになった。適正な請負、ということか。実際には新技術が投入されたときには正社員が滞留に投入され、正社員と非正社員が全く口をきくことなく作業をしている。
塩川:コストダウンを目的とした完全な請負というシステムはあり得ないんだという点を実感した。全国で働く非正規社員たちが活動をしている。光洋シーリングテクノ(トヨタ系)も組合を作って活動をしてきていると聞いている。こうした運動の広がりについてどの様に受け止めているか。
大野:自分たちもそうした動きを見て労働組合とはこうしたものだと勉強し、意識も高まりつつあり、そうした活動を知っている人たちばかりではないので、集まって会社にものがいえるようにするべきだと思っている。
社民党・阿部:当初工場の立ち上げからキャノンの仕事をしていて、キャノンの正社員が二人、大野さん、他の非正規社員でやり始めたと。最初自分がどんな立場なのかわからない人が多いのではないかと思うのですが、仲間とどんな話をしていますか。
大野:10年前に立ち上がった職場だけれども自分が働きだしたのは7年前。請負、という言葉をついこの前知ったくらいだから、派遣、請負の違いを知らないで働いている人は多いと思う。
阿部:正規の社員としての申し入れをしなくてはならないことをルールを守らずにいる企業は多い。安心、安全もあり得ないのではないのか。労災の場合のケースがあるだろうか。派遣、請負では責任の体制も違うはずだ。
大野:小さい怪我等はあるが、それに対する対策については請負と派遣ではやはり差があると感じる。

 こんなことを国会で証言した大野氏の勇気を讃えたい。非常に微妙な立場に立っている請負派遣労働者がこうした口述を国会で行うということはキャノン本体に喧嘩を売っているわけだ。しかし、組合を構成したことで既に会社は警戒警報を発しているだろうから、こうしてどんどん露出していくことがこれから先は重要かも知れない。彼をどんどんマスコミが重用していくべきではないか。これでもまだ、しらを切るのか。
 これに比べて最初に質問に立った三重県伊勢市出身の三ッ矢憲生(自由民主党)のお粗末振りは情けない限り。「可児市にはゴルフで行くくらいでよく知らない」だなんてその辺の居酒屋で出会ったオヤジの会話じゃないんだ。