ほぼ足りてまだ欲 その先

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ワンス・モア

 かつてのGSのひとつ(と本人たちは呼ばれたくないだろうけれど)、The Golden Cupsの映画が公開されている。僕が映画に行くのは平日だから、もちろんガラガラなんだけれど、公開されているテアトル新宿では今日は40人位は入っていたのではないかと思う。年齢層はかなり広くて、もちろんかつてのファンだったであろう層もいるが、意外や意外で、10代、20代前半なんてのがちらほらいる。もちろん当時のことを知っているわけがないから、口コミや雑誌なんかで知ったんだろう。
 前半は関係者へのインタビューと当時の映像を使って当時の本牧のゴールデンカップが、そしてそこに出入りしていた連中が、バンドのメンバーがどうだったかの話。メンバーだけでなくて、その周辺の人たちも顔を出す。
私はデイブ・平尾、エディ・蕃、ルイズルイス・加部、ケネス・伊藤、そしてマモル・マヌーというメンバで、後はミッキー・吉野が入った、それだけと思っていたら、ルイズルイスも、マモルも、みんな最後にはあのバンドにいなくて、その代わりを勤めたメンバーがいたことを知る。柳ジョージも最後のメンバーだったというし、アイ高野もカーナビーツの後いたことがあるのだという。その頃には私ももう社会人になっていて、田舎に赴任していたから、もう興味もなくなっていたといって良い。
 他にインタビューに答えている中に、(内田裕也北野武ジョー山中忌野清志郎、CHAR、ショーケン(撮影中はあんなことになるとは思っていなかっただろうなぁ)、横山剣、井上尭之、鈴木ひろみつなんてのがどんどんでてくるんだけれど)とても久しぶりに名前を聞いてひっくり返ったのは、元パワーハウスの陳 信輝である。もう、本当にふつ〜〜のおっさんになっていて、街ですれ違っても絶対にわからない、これは保証しちゃう。それにしても成毛滋や陳信輝なんて、私は天才ダァ〜と思っていた。
 北野武だけではなくて、あの店の前まで行くと何となくおっかない雰囲気がして足を踏み入れるのをためらって、もう帰っちゃおうかな、という気になるというのはよくわかる。
 写真を見て驚いたんだけれど正面から見て右側は聖書や賛美歌という看板の出た店だったんだなぁ。全然気が付いたことがない。映画の冒頭で市電が麦田のトンネルをくぐるところが出てくる。本当に懐かしい風景である。前半で笑えるのはカップスも思いっきりGSバンドの恰好をさせられていたことがあった、という事実だった。やたらエリの大きなシャツなんか着せられちゃって、ルイズルイスなんて見ていたくない雰囲気だった。モップスなんて、一度もそんな恰好したことがなかった。思いっきりフラワー・チルドレンだった。でも、今から考えてみるとひろみつのそんな恰好は逆に衣装だったんだろうな。それにしても楽屋で怖かったなぁ、モップスは。
 私は小学校の4年生の夏休みに本牧の先の間門小学校へ毎日「臨海学校」として通っていた。そのためには家から15分ほど歩いて青木橋の通りまで出て、そこから市電に乗る。この市電が元町の脇を抜け麦田のトンネルをくぐり、あのフェンスで囲まれた芝生の青いその中に点々と建つ白ペンキの家や、PX、そして夜間照明設備のついた野球場を見ながら進む。間門小学校のすぐ傍には大きなボイラー施設が建っていた。一体全体あの建物はなんだろうと思っていたが、誰に聞いたのかも思い出せないけれど、それがあの付近の住宅にお湯を配るボイラー・プラントだと聞かされた時にはのけぞったものだ。私の家の台所に瞬間湯沸かし器が付いたのは一体全体、その何年後であったのだろうか。
 映画の後半は新山下のCLUB MATRIXでの、ずいぶんアットホームなライブの模様が淡々と、そしてガンガンと、それでもってデイブ平尾の歌は全くそのままに、繰り広げられるというわけ。あたかもエディ・蕃のリーディング・バンドという雰囲気。音も、音作りも良くて、とても良い雰囲気である。ノブ斉藤のレフティー・ドラムは相変わらずの軽快なそして的確なテクニックで恐れ入る。The BandのLast Waltzを思いっきり意識しているんだろうな、多分。メンバーの誰かもいっていたが、リードを弾きながらあれだけの歌を歌えるエディー・蕃はやっぱすごい。それにしても、どんどんヒップアップの島崎に似て来ちゃったようだ。<後日談> この日、どこでかしらないけれど、新宿の街を歩いていたらどこかのテレビが撮っていたらしくて、「新宿、歩いていませんでした?」と聴かれる。「ど、ど、どうしてしってんですか?」と思わずどもる。
かつて、某大学の構内で撮られていた時も知らなかった。(危ない・・・私の肖像権・・(。_・)ドテッ)