ほぼ足りてまだ欲 その先

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「巴川」

 村松友視の小説を図書館から借り出してきたので、読んだ。この小説の主人公である「村木」という男の想定が村松のものであったとしたら、彼は中学も清水から静岡まで通っていたことになる。どこの中学に通っていたのだろうか。静大付属かもしれないなぁ。私はあそこの入試に落ちた。「村木」の実家は記念塔があった小学校近くの交差点から海の方へ下り、右側の第八分団の先の教会の脇の道をはいったところにあり(p.75)、地名は下清水だと書いてあるから、私の当時の行動範囲の中である。長ずるにおよんで仕事をしていた時の上司がまさにこの辺にある社宅に住んでいたことを想い出す。
 なんで清水はサッカーが盛んだったのかについても思いをめぐらす部分があるが、なんら回答は示されない。
 巴川で泳いでいたという話は聞いたことがあるが、私が清水に引っ越した1957年当時は既にそんなことは夢物語となっていた。呑み屋での誰かの会話に「七夕豪雨」が出てくる。やっぱり清水の街であの災害はとても大きなエポックとなったといっていいのだろう。あれからこっち、あの街はどうも寂れる一方できたのではなかっただろうか。
 小説の中身は作家の「村木」が清水に取材と称して出かけ、かつてつきあいのあった女性にであい、担当の編集者である女性がやってきて、丁々発止があり、そこに五代目清水の次郎長の知り合いが絡むというもの。