61歳のホーム・ヘルパーが利用者を殺してキャッシュカードから金を卸そうとして捕まった事件が報じられる。密室の現場なので起こりかねない事態であることは間違いないのだけれど、そうしたことが起きないように介護の現場は様々な意識の持ち方を語り合う。かつてはケア・マネージャーの事件があった。グループ・ホームの事件もあった。今回もそうなんだけれど、ラジオやテレビのニュースで「ホーム・ヘルパーの女が」と繰り返し報じられる。その度にどきっとする。これじゃ、ホーム・ヘルパーという本当に必要欠くべからざる職種の人びとを、あたかも「悪い奴」といっているように聞こえるのである。何か違う表現の方法はないのだろうか。もちろん、今回の殺人事件を起こした女性は糾弾されるべきなんだけれど、全く報いられない報酬と社会的扱いを強いられている介護職にどのように力を出してもらえるだろうかという方向への議論のひとつのきっかけになってくれると良いのだけれど、と思う。
