ほぼ足りてまだ欲 その先

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グローバリズムのままで

 ヨーロッパで鰻の稚魚の漁獲を制限するのだという。すると中国で養殖される鰻の数に制限が出て、多くの鰻を今や中国に頼っている日本の大衆鰻マーケットに2-3年後には影響が出るだろうと云われている。安い鰻に影響が出るのだから国産のおいしい鰻をお食べになるお金持ちの皆さんにとってはあんまり関係がないのかも知れない。つまり下々にとっての鰻が遠くなると云う意味か。
 豪州の干ばつで小麦が今年は大不作だと聞く。小麦よりも干ばつに強くバイオ燃料のお陰で価格が上がってきている遺伝子組み換えのキャノーラに農家が移っていくと日本の麺業会やパン業界は原材料が高騰していく。いやそれだけでは終わらなくて輸入量が激減していく。
 農林政策は日本人にとって不可欠な米栽培については減反政策という減産方針を強力に進めてきた。作らせないようにしてきた。その分食糧の原材料を輸入に頼る方針をとってきた。どんどん野菜も輸入を拡大してどんな栽培をしてきたのかわからない作物を安いからとどんどん輸入してきたし、これから先も自由貿易協定を進めていこうとしているんだからどんどんそうした傾向に拍車をかける。
 中国やインドの生活レベルが上がると食生活が変わる。なんせ誰も食べる奴なんていなかったサーモンの消費量や、チーズの消費量が中国で驚異的に伸びて、世界的なマーケットの価格が本当に驚くほど上がった。先日も書いたように輸入の養殖サーモンの卸売価格は15年ほど前は1100円/kgほどであったが、10年ほど前には600-700円/kgまで下がっていたものが今また15年ほど昔の値段に戻ってきているというのだ。昔はサーモンなんてものは鮨ネタにはならなかった。何故かというと天然のサーモンには寄生虫の危険性があり得たからである。だからかつてアイヌの人たちは冷凍して「ルイベ」にして食べたと聞かされたことがある。しかし、養殖物にはその心配がないということでスコットランドノルウェー、チリ、豪州からのサーモンが輸入されてくるようになった。しかし、それも中国人が食べるようになってすっかりマーケット構成が変わった。これから先、鮪も市場のあり方が驚くほど変わってくるだろう。
 その時、日本の農林政策はどう対応していたということになるのだろうか。市場のなるがままにしていくというひとつの徹底したやり方を小泉-竹中という慶應義塾路線が進めた結果がどの様な結果を生むのか知らないが、とにかく彼らのような税金かすめて金を貯めた連中にとっては金さえ払えばどうにかなるんだからなんの気遣いも要らないということだろう。つまり、この国は「金持ちのため」というキーワードでその政策を見てみると本当によく分かるってことか。
そういえば今大騒ぎの年金のことだって、金さえあればあんなものがどんな状況だろうと気にならないんだろう。その証拠に未だに一本化されていない共済年金や議員年金は全く問題がない。オイ!小泉!確かに一本化する、それも速やかに一本化するといったよな?こんなことだから一本化を遅らしていたんだし、そもそも年金なんかどうでも良いくらいに金を手に入れているということなんだな。
 金持ちのための国、日本、ばんざあ〜い!・・・くそっ!