ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

「婦人公論」

 その地下鉄の中で見た「婦人公論」の中吊りには随分と驚かされた。なにしろ市川海老蔵のきりりと引き締まった顔が、なんだか黒ずくめの格好に浮き上がって「しばらぁくぅ〜、あ、しばぁらぁ〜くぅ〜」とでも云いそうなポスターに、特集「それでも男は必要ですか?」と書いてあるのだ。おいおい、「それをいっちゃぁ〜おしめぇ〜」じゃぁねぇのか、と合いの手を入れたくなった。こんな写真をご覧になりたい向きにはこちらでござる。余計なことに「一緒だと心強いけれど、すべてを満足させてくれる一人はなかなかいない……。なくても人生を楽しめる今、あなたにとって男の価値は、どこにありますか」なんてことまで書いてある。
 なぁにをいいやがる、そんな人間、男だって、女だって、この世の中にいってぇどれくらいいるってんだ。一体全体この雑誌は異性の相手に求める壁を更に更に高めていって、しまいにはこの日本という国が拡大再生産をいよいよ捨て去る様なテリトリーになればいいと思っているんじゃないだろうかと、ムッとしたのである。男性雑誌のモテりゃなにしたって良い、風俗は当たり前、こんなことやってねぇ奴は今時男じゃないくらいのことを云うのもいよいよ持ってバカヤロウだけれど、いいとこどりで良いじゃねぇかを助長する特集を組んでいけしゃぁしゃぁなのは、どんなに片一方でまっとうな特集を組んでいたって眉唾だ。
 明日は読売・中公女性フォーラム21「問われる男たち ――女から見たその価値とは」というシンポジウムが開かれるそうである。出席者:基調講演・パネリスト:上野千鶴子(東京大学大学院教授)パネリスト:板本洋子(日本青年館結婚相談所 所長)、川端裕人(作家) 司会:麻木久仁子(タレント)を見て、これはまずいことを云ったかもしれないと思わずびびる。