ほぼ足りてまだ欲 その先

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どっちがどっちだ

 全くの話、言及するつもりがなかった日銀後継総裁の人事問題。財務省出身者がそもそも日銀の副総裁をしていたことにも驚いたけれど、それがそのまま繰り上がりという安易な道を選定していくことにもなんともがっかりだった。この国の通貨管理をする機関の責任者が、ファンドに大きくかかわっていたという現総裁のスタンスにも呆れたのだけれど、漸く彼の任期にピリオドかと思えばその後任をそうして容易に弾き出し、与党のやりたい様に持っていこうというのは表面上どんな云い方をしようとフェアではない。
 にもかかわらずこの人事案に反対を表明している民主党に対して自民党の伊吹(事務所経費いい加減に誤魔化して終わり)幹事長は「政局で思い通りにならないから認めないというのは権力の乱用だ。粛々と選んでもらい、国民のために正しく参院で多数という権力を使ってもらいたい」と発言。よくまぁ、こんなせりふを恥ずかしげもなく彼の口をつくものだと呆れ果てる。「権力の乱用」という言葉を君が知っているとは思わなかったよ。
「多少の円高は現在の日本の経済に大きな影響を与えることはないだろう」なんて日銀総裁が平気で発言してしまってより一層の円高を招いた現状を与党はどう説明してくれるのか。
 この件だけに限らないが、参議院の勢力分布がひっくり返ってからというもの、なにかというと「政争の具にすべきではない」というせりふがマスコミでくり返されるけれども、そりゃ一体なんのことか。私達の民主主義は誰かの利益に偏重しない、マイノリティーを切り捨てることをしない、フェアな社会を造り出すために必要なことは何かを取り上げて、それが誰かが秘密裏に策略を巡らしていないかをチェックしていく必要がある。これまでの体制がそのマンネリ化を招いた挙げ句の果てにそれを助長してきた結果生まれてきた状況を摘発して、構築し直すのはここでやるべきなのではないのか。あたかも切り捨てるが如き訳知り顔で終わらせたくはない。