昨日借りてきた「脱走の話」の中で朝鮮戦争で孤児になり、米国に養子に行ってベトナム戦争の徴兵に引っかかり、脱走し、キューバ大使館にかくまわれ、べ平連に助けられてスウェーデンに逃げ、スイスのドイツ語圏で暮らしていた元脱走兵と吉岡忍が後に香港であった話が語られる。その時にその元脱走兵が「どの言葉も中途半端になってしまった。自分がどの言葉を使って考えているのかが分からない」という。「熱いものに触った時に何語で「熱い!」というんだ?」と聞いても「分からない」といったという。
こんな状況を想像することもできなかったものだからとてつもなくショックだ。
いずれにしろこの本の中に記録されている鶴見俊輔、吉岡忍と会場に来ている人たちとのやりとりを読んでいるとやっぱり知っておかなくてはならないことがいくらでもあるんだということがわかる。吉岡がジョン・アルバートの「エミー賞」受賞作であるドキュメンタリー「バグダッドER」に触れている。この作品はバグダッドの野戦病院に密着したドキュメントだそうで、日本でも2007年にNHKがBS海外ドキュメンタリーで放映していたそうだけれど、私は見ていない。NHKは「BS特集 未来への提言」でジョン・アルバートにインタビューをしていて今年の3月に放映されたそうだ。こちらはNHKのアーカイブスにも保存されていて見ることが出来そうだ。
この本は「編集グループ〈SURE〉」が発行・発売しているもので、ここから出版されている本はなかなかAmazonでは入手ができない。非常に興味深い中身のものが多くあるが直接発注するしか購入ができないものが多い。それでも他のものも読んでみたいと思う。
下記出版物は直接購入するしかないという。