ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

LAX→SFO

 今日がLos Angeles最後の日。ホテルの傍にあったDisney Concert Hallを見に行く。からりと晴れて心地よい風が吹く。とてもユニークな建物で、「ステンレスで作られたOpera House in Sydney」といったらその筋から怒られるだろうか。ここでは毎日正時からホール内のガイド付きツアーが開かれている。1時間かかるというのでホテルを出るのが遅くなりそうで、断念した。ホールの中に入ったらきっと面白いのだろうと思う。それでも中を見ているとステンレス材と木材の融合が何とも面白く、冷たくはなく、そのモダンさが魅力的な本物を感じさせる。よくもこの二つの素材を組み合わせたものだなぁと思う。

 表側だけが格好良い訳ではなくて裏に回ると大変に良くできた庭になっていて、規模的にはとてもとてもかなわないけれど、ポール・ゲッティーに匹敵する力を感じることができる。しかも豊かな緑を感じさせる植栽になっていて、その木陰でトランペットとアコーディオンという不思議な組み合わせの四人組がコーラスを練習している。

 このプロジェクトはWalt Disneyの未亡人であるLillian Disneyの寄付金$5000万ドルから始まったのだそうで、Lillianに捧げるバラのモニュメントがとてもユニークなアートとなって裏庭に存在している。これはおおいにじっくり見て回る意味がある。

 電話代、LAN代の約50ドルはクレジット・カードで精算されてしまっていたので、そのままチェックアウト。このホテルはダウンタウンにあるという点では観光向きではないが、ゆったりとしていて居心地は悪くない。
 タクシーで空港に向かう。シャトルが一人16ドルだったから45ドルくらいで行くのかと思ったけれど、メーターで走ったら50ドルに達してしまってがっかりした。時間がかかってもシャトルにすれば良かったなぁとここまではそう思った。タクシーの運転手だけは嬉しそうにしていたけれど。ところがAmerican Airのカウンターに入って、いやいや、早めに到着してみて良かったと考えを変えた。チェックインのための人たちでごった返していたのだ。
 どこに並んで良いかもわからず、どの列が何を意味するのかもわからない。すぐさま係のおばさまを見つけて、何をやるのが最初だ、と聞いたらセルフチェックインをして、それからチェックド・バケッジのカウンターに並び、最後にチェックド・バケッジの検査場所に渡すんだという。セルフチェックインの端末にとりついて、IDの読み込ませ方がまずわからない。おばさまをまた捕まえる。パスポートの読み込み場所がUAのように一番下にあるのではなくて、一番上にある。なんだよ、各航空会社で全く同じ機械をつかえっていうのに。(後で知ったのだけれどNW Airもこの機械だった)この機械も「日本語」が選択できるのは大評価。しかし、言葉でどうとってよいのか、という部分が一カ所あった。最後に預ける荷物は全員でいくつか、というところで、この端末がフリーズ。このやろう。またおばさんを捜すも見つからず。しょうがないから戻っていじると急に動く。で、次に行く。やっぱり動かず。おばさまを発見。連れてきて「フリーズするよ!」と見せる。なんとおばさまはタッチパネル上をぱたぱたとあっちでもこっちでも良いからさわりまくる。おいおい、これはアナログじゃないんだからさぁ!といっているうちに動いてボーディング・パスが出る。狐に包まれたようだ。


(South West Airの機体は今時にしては珍しくべったり塗装がしてあって重そうに見える。) 話はここで終わらず、今度はカウンターに並ぶ。ようやくおじさんのところが空く。タグをつけてもらってからそのバッグのスクリーニング場で女性の係員に渡す。これでようやく自分たちの持ち込み荷物のチェックに二階に上がる。もちろん靴は脱ぎ、必要によってはベルトを抜き、ポケットの中身を全部トレイに出し、パソコンは単体でトレイに出し("By itself !"とまた同じことを言われた)自分は門に入ろうとする。係官の兄ちゃんが「ボーディング・パスは手に持ってといっただろ」とフラットなイントネーションで語る。俺は新兵の身体検査を受けているッてんじゃないんだからもっと丁寧にいったら良さそうなもんである。ようやくセキュリティーを通り抜け、ゲートに向かう。
 昼飯を食べていないことを想い出すが、ここの空港のそうした施設はサン・フランシスコの空港と違って古いスタイルそのままで店も少なく、バリエーションも昔のまま。バーガー・キングでBig Fishを買うがなんと$8.75もする。二人でこれを半分ずつにする。われわれの腹にはこれで充分なのだ。ようやくゲートに来るとそれほど人は集まっていない。結局フライト時間55分でサン・フランシスコ空港に降りる。この空港に降り立ったのは今回は3回目だけれど、外に出るのは初めてだ。
 バゲッジ・クレイムでは意外なくらいに早いうちに無事二つとも出てきた。


 空港内のブルー・ラインに乗り二つめの駅で降りて、BARTのフロアーにあがる。切符の自動販売機は全部でたったの4つしかないだけでなく、BARTの切符は買うのが難しい。だから誰もが切符を買うのにとても時間がかかるので、なかなか列は短くならない。現金で買うつもりだったけれど、誰かが現金で買うとおつりが面倒なんだと書いていたことを想い出す。すると前の方でクレジット・カードを使っている人がいたので、それにする。ところがクレジット・カードを入れて、次に確認のボタンを押したまでは良かった。次の画面はadd $!.00とか減らすとか書いてある。何のことかわからない。一度キャンセルするものの、次もまたここまで来ても解決しない。後ろのおじさんに「どうやって買うの?」と聞く。増やすを押すと画面上の数字が増える。そうして必要な金額まで「増やす」を押して必要な金額になるまで待つ。そこで「切符をプリント」のボタンを押す。もちろんマルチ枚数も買えるんだけれど、その先がわからない。しょうがないから二回繰り返す。やれやれ、これでは列はなかなか短くならない訳だ。


 空港の駅から10個目の「Powell Street」で降りる。時間が時間なだけにひとつ手前の「Civic Center」からどっとたくさん乗ってくる。降りて地下から上がってくると自分が行きたい方にはエスカレーターに辿りつくのに5-6段の階段があるし、エレベーターも見えない。反対側からエスカレーターであがり、交差点をゴロゴロ荷物を転がしながらMarket Streetを渡る。ここのホテルだけはExpediaでの確認が番号にならないのでちゃんと泊まれるかどうか不安だったのだけれど、全く問題がなかった。部屋は9階の裏側、Mason St.とEllis St.との交差点の側だった。友人にすぐさま電話をかけ、迎えに来てもらう。懐かしい景色を見ながら彼のスタジオ付きの部屋に遊びに行く。何でも前の持ち主だった中国系の住人が隣のstudioを買って中でくっつけていたのだそうだ。それで今はスタジオになっているということだ。まるで願ったりかなったりの部屋具合だったのだそうだ。
 奥様の手作り料理を堪能しながら昔話から、サンフランシスコ話、ジャズ話、落語話、野球話・・・。話は尽きないが明日の朝は早く、また帰ってきてからの再会を約して辞す。友は良き哉。