この著者は二人とも「
東京裁判」に関する書籍を書いている。対談の形を取っているが、実際に対談をしたように牛村の後書きに書かれている。保阪にしても、この二人にしても感情的にならず、冷静に、客観的に史実を検証するところから解釈が出てくるという信念の上に語ろうとしているところは共通しているのだけれど、どうも出版社によって読者が持つ出版社のイメージが付着してしまうという傾向はあると思う。感情的に、扇情的な記事に溢れる、といったら
文藝春秋系や、諸君、正論などの産経系にはその類が溢れているように思うのだ。
ただし、牛村の新書は今はすでに版元在庫ゼロ。
小熊英二と
姜尚中の共著新書が
集英社新書から出る。これは781頁にも及ぶもので、新書界では破格の¥1,680.-だというのだ。これまで千円を超える新書はあってはならないとされていたんだけれど、とっくにそんなものは反古にされているんだろう。それにしても小熊といえばとにかく彼の本は分厚い。
8月に発刊されたものだそうだけれど、知らなかった。「
空爆」という理不尽な、非人間的な許されざる行為についての責任ある人物の特定に触れているのかどうか、という点に興味がある。有り体に言えば「
カーティス・ルメイ」に触れているのかどうか。