所沢の航空公園駅から歩いていけるところに「中国帰国者定着促進センター」という施設がある。中国，ロシアから日本に永住帰国した帰国者本人とその家族を対象に6ヶ月間の適応教育を行っている。これが完了するといわゆる定着地というところに行っていよいよ暮らしを始める。今年も2月に入所した84期の人たちが日本で暮らすための研修を始めた。
とにかく日本語を覚えないと暮らしていけないからセンターで勉強をする。生の日本語に接する必要があるという観点からセンターではボランティアを募って月に一度センターに来てもらって研修の人たちと日本語で交流する。
随分前に学生たちと一緒にボランティアに行ったのが私にとっての初体験だった。それから数回行っているけれど、今年は他のスケジュールと重なってしまって行くことができない。
おおむね、ボランティアに来られている方々はスケジュールが平日の午後のこともあって、退職した近隣の方、或いは学生、もしくはかつてなんかしら中国と縁のあった人たちに限られてしまう。一生懸命に日本語を覚えようとする人たちは30代あたりの日本で一旗揚げようと思っている人たちのようだが、帰国者本人やその配偶者あたりはもう新しい言語を獲得するには歳をとりすぎているようで、もっと若い層はなんでこんなところに来るのかと思っているような雰囲気がしないでもない。
それでもやっぱり言語をどうにかしなくては彼らにとっても、また彼らを迎える私たちとしても交流は難しい。
