ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

コンサート

 今日は日比谷公会堂(まだあったんだ!?)で「The Japan Jazz Vocal Jamboree 2009」があり、五反田ゆうぽうと・ホールで「100 GOLD FINGERS」がある。前にも書いたように、日比谷公会堂に行く。実は五反田の方のコンサートを知らなかったのだった。
 日比谷公会堂はなんと2074名収容。でかい。竣工1929年。ふるい。「近代化産業遺産」だということだ。
 最後に日比谷公会堂に入ったのは1975年4月19日(土)のことだと思う。私はその週末は、当時暮らしていた静岡から夫婦で帰ってきていて、なぜか信州の北に暮らす友人夫婦と二人で銀座を歩いていた。ひょっとすると彼らの結婚披露宴の打合せでもしていたのだろうか。すると、共通の友人にばったりあった。するとそいつがいうには、これから日比谷公会堂でそいつが関係しているバンドのコンサートがあるから来ないか、というのである。これといって予定を持っていたわけではなかった4人は誘われるままに公会堂に行くと、それが「Down Town Boogie Woogie Band」だった。この時のコンサートはその後「脱・どん底音楽会」としてアルバムになっていて、2003年には紙ジャケ仕様のCDとなっていて、2008年にもまたCDとして出ている。この頃の宇崎竜童は単純で分かり易い。

脱・どん底音楽会

脱・どん底音楽会

 その日比谷公会堂に今日は開場から10分後くらいに到着してみると、入場する人たちがずらっと列を作っているのである。えっ!?全席自由、と切符に書いてあるけれど、こんなにお客さんが来るのかと驚いてしまった。その列は延々と伸びて角の交番の前を通り越して国会方面にまで繋がっている。
 どんどん列は進むから大したことはないのだけれど、焦ったのは角の交番のお巡りのようで、慌てて出てきてどうしようかと連絡を取っている。挙げ句に出てきて列に並んでいる私たちに「日比谷公会堂の敷地から出ないで列をここで曲げろ」というのである。そんなことこっちの知ったこっちゃない。「そんなことをしたら向こうから来る人とぶつかるだろう」というとそのお巡りは生意気なことに「そんなことは知らない」といった。こういうバカはそんないい方はないだろうと言い返したら多分執行妨害だといって逮捕に来ないとは限らない。
 古い施設は階段だらけで、概ね私くらいを平均とするような高齢者のオーディエンスにとってはトイレに行くのにも地下まで階段で下りなくてはならないというこういう古い施設では辛い。ヨイショ、ヨイショといいながら歩く。高齢者は周りに神経が行かないから、こっちから「失礼、失礼」と声をかけないと歩けない。
 司会は由起真と「さんちゃん」こと高橋伸寿。7人のニュー・ヴォイスを含め、出演者は合計で40名。三人組の「ai(エイアイ)」と二人組の「Y's」がいる。全員が各々一曲だけを歌う。バックは基本形のリズム隊にトランペットとクラリネットが加わる。リズム隊は前半と後半で変わる。誰ひとりMCをすることなく、与えられた一曲に専念する。大変にストイックなコンサートである。
 今年で13回になるという。今年の後半のテーマはBenny Goodmanで大ベテラン女性ヴォーカリスト5人が唄う。松代美智子、新子和江、後藤芳子、テリー水島、マーサ三宅という錚々たるメンバーで、この全員が多分私よりもずっと上。マーサ三宅は髪の毛がもうすっかり美輪明宏のようだ。
 しかし、ベテランとなると、歌の端々に余裕が漂うし、聞かせるねぇ、という感じ。若手は初々しいけれど、もうめいっぱいで、英語の発音も思わず下を向く。多分これからどんどん磨きがかかってくるのだろうことを期待。
 それにしてもこうしたコンサートにこんなに人が集まるとは本当に驚いた。隣に座っておられたとても若い女性は多分マーサ三宅の系統の方に教えて貰ってでもいるのだろうか、たったひとりで来られていてちゃんと人を選んで拍手を送っておられた。
 トランペットの伊勢秀一郎とサックスの清水マキオが素晴らしい。

 3時間半にも及ぶ長丁場で、空かしたお腹を抱えて日曜日の夜の閑散とした銀座の裏道を歩き中華ソバを食べて帰る。
 国会通りをまっすぐに銀座に向かっていくと日航ホテルにぶつかる。その手前のコリドー街の角におかゆの店があったのになくなっているなぁといいながら歩く。うどんの木屋が開いているけれど、なんであの店はあんなに高い値段になったんだろう。うどん一杯を1400円も1500円も出して食べる気にはならず。中央通りを渡って東武ホテルの前を4丁目の方にむかうとそのなくなったお粥屋と同じ好々亭という名前の中華の店が開いていた。店内を覗くとアメリカ人と覚しき大きなおじさんとおばさんが煙草を吸いながら頼んだものが来るのを待っているだけで、後はガラガラ。言葉を聞くとまごう事なき米国人。今時こんなところで平気で煙草を吸っている米国人も珍しい。
 メニューを見ると普通の中華料理屋でこれはビールでも呑みながら一品ものを頼むという風に使いたいなぁと思いながらワンタン麺とビーフン炒めを注文。飛びきり旨いとはいわないけれど、まぁ満足。ビーフンは胡椒で味をつけてみました風。ワンタン麺は味にこくがない。それなのに妙に嵌る。化学調味料お好きかも知れん。くだんの米国人二人組は旨いからまた来るよ、みんなに云っておくよといって出ていく。
 後からウェブで見たら、あのなくなったお粥屋がここに移ってきたのだと知れる。なんだ、だったらおかゆだったかな?でも、朝飯じゃないしなぁ。そういえば北京から豪州に移住してきたかつての職場の同僚は昼飯に飲茶にいったら確実にコンジーといっておかゆを食べていたっけなぁ。