ほぼ足りてまだ欲 その先

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ムアンマル・アル=カッザーフィーとシルヴィオ・ベルルスコーニ

 CNNを見ていたら何ともはやなきんきらきんの肩章のついた、あたかも英国あたりのコメディーに出てくる南米あるいはアフリカあたりの架空の国のちょっといっちゃっている専制君主のような爺さんとイタリアの色狂い首相が映る。やや、あれはカダフィベルルスコーニじゃないか。
 かつてイタリアはムッソリーニの時代にリビアを植民地としていたのである。ま、尤ももっともっと昔の話をすればローマ帝国に治められていた時代だってあったわけで、その当時の遺跡を今や観光資源として海外から観光客を集めているし、今や日本からもパッケージド・ツアーがやってくるくらいだ。旅先で出会った日本人のおばさんがそんなツアーに参加してリビアサハラ砂漠でテントで夜を明かしたことがあるといっておられてびっくりした。私が仕事でいっていたときは頼まれてももう二度とこんなところに帰ってくるものかと思っていた。
 昨年、ベルルスコーニリビアにいってかつてのイタリアの政策を謝罪して、リビアに計50億ドル(約5000億円)の投資、援助を盛り込んだ友好条約を結んだといわれている。その返礼として今回のイタリア訪問があるらしいのだけれど、よりによって相手はベルルスコーニだから、話はより怪しさを増すといっても良いかも知れない。
 リビアは立派な産油国にもかかわらず、産油国産油国らしいスタンスを世界の中に確立していない。それはひとえにカダフィ専制君主的でありながら、世界を敵に回す政策が原因である。金正日と殆ど変わらないスタンスに奴は立ってきた。しかも金正日と徹底的に異なるのはカダフィには石油があった。それなのに、金正日よりも早くその政権は西欧世界に屈した。彼は当時の米国に対してまともに戦ってしまった。米軍戦闘機を打ち落とし、米国民間航空機を爆破した。それ以降完璧な経済封鎖でリビアは完膚無きまでに疲弊した。部品が入手できなくなって飛べる飛行機がなくなった。しかし、そうかといってフィデロ・カストロほどの人心掌握にも成功していなかった。なにしろそれまでなんだかんだと云いながらも街中には存在していたアルコールすらイスラム原理主義に立って徹底的に排除しようとした。寒いところの国民は簡単に洗脳されるかも知れないけれど、暖かいところの国民はそうはいかないのではないか。
 今でもカダフィが実権を握っていることの不思議さはなんだろうか。そして今でもベルルスコーニが更迭されないのはイタリア国民の現在意識なんだろうか・・・ま、それ程のことはないんだろうな。それにしてもカダフィもいいかげんに降りろよといいたいけれど、金同志の後継者同様こちらはどうなるんだろうか。一体カダフィの「緑の革命」は今やどう評価されているというのだろうか。