ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ボブ・ボーグル逝く

 The Venturesのオリジナルメンバー二人のうちのひとり、後年はずっとベースを担当してきたBob Bogleが死んだそうだ。聞いたことのない病名が新聞には書かれていたけれど、一種の悪性腫瘍か。75歳。もうひとりのオリジナル・メンバーであるDon Wilsonもすでに76歳である。近年の日本公演ではBob Spaldingがベースを担当していたからずっと闘病生活だったのだろうか。奥さんが日本人だというのはよく知られている。
 Mel Taylorが亡くなったときも驚きを持って報じられたけれど、あの時とは年齢が違う。大田区体育館でThe Spidersと湯原昌幸とSwing Westを前座に行われたコンサートが私が生まれて初めてThe Venturesの生音に触れた晩だったのだけれど、それがオリンピックの1964年だったのかその翌年のことだったのか、まったく思い出せない。しかし、彼らのアルバムThe Colorful Ventures(多分1960年)を友達の家で聞いたのが最初だった。すぐにアンサンブルの物まねをした記憶がある。

カラフル・ベンチャーズ(紙ジャケット仕様)

カラフル・ベンチャーズ(紙ジャケット仕様)

 やっぱり、Bob Bogleといえば、Caravanの演奏でMel TaylorがBob Bogleのベース弦を弾いてのアド・リブ(といっても毎回同じだからアド・リブじゃないけれど)だったなぁ。今でも友だちのバンドではそれをやっているけれど、多分日本中のベンチャーズバンドがやっているんだろうことは容易に想像がつく。
 10年ほど前に私よりも一回り若いThe Venturesフリークの男と知り合った。彼はジェリー・マッギーの大ファンで、ノーキー・エドワーズでないベンチャーズのファンだというちょっと屈折した人間だった。だから、ノーキーのリード・ギターに慣れ親しんできた私たちとしては音を合わせると微妙なところが食い違うのがおかしかった。奴は昔のThe Venturesのアルバムを全部持っており、日本公演のLDの中に自分が観客席にいて映っているのが自慢だった。彼はMel Taylorの未亡人とmailのやりとりをしていたことがあるそうだ。但し、彼のThe Venturesのレコードコレクションの中には彼が自分で書いた、偽物のautographyが混ざっているので注意が必要だった。外国に駐在している彼はきっとこの話をしたくても相手がいなくて、悶々としていることだろう。彼は「真のThe Venturesファンはモズライトなんて弾いちゃいけないんだ!やっぱりストラトだろっ!」と力説する。そして自分はGibsonのLes Paulのgold topをぎゅいんぎゅいんと鳴らしていた。
 私がThe Venturesのベストアルバムだと思っているのはやはりこれ。そしてその次が編曲がベタでも結構洒落ていたクリスマス・アルバムかなぁ。
ノック・ミー・アウト(紙ジャケット仕様)

ノック・ミー・アウト(紙ジャケット仕様)