辞任会見というものはいつでも、どんな時でもとげとげしいもの。とは知ってはいるものの、日本郵政の西川社長の記者会見はバシャバシャ鳴るカメラのシャッター音と光り続けるフラッシュにどうやら機嫌を損ねたようで「もう少し離れろ」「カメラは出てけ!」「ガチャガチャやられたら、頭の悪い私は混乱しますよ」と口をへの字にして怒っていた。なんだか佐藤栄作の最後の記者会見を見ているような雰囲気だった。
そりゃなんたって小泉ー竹中が三顧の礼をもって迎えたのにもかかわらず、今やあたかも罪人のように石持て追われる立場になるなんて、一体誰が想像しただろうか。そもそも鳩山邦夫のあの動きからすべてが始まっていた。つまりいってみれば神戸人脈は鳩山兄弟によって葬り去られたということになりはしないだろうか。
しかし、この人のあれだけの口への字の様子は初めて見たような気がするのだ。だから、New Zealandでも民営化してろくなことが起きなかったじゃないかとあれほど口を酸っぱくしていったというのに、小泉ー竹中にみんな乗せられてしまって、その挙げ句見事大失敗となったといえないか。
(質問)やり残したことは:(西川)「もう、言えば切りがない。色々、ある。しかし、今もう、申し上げても意味がないこと。今後の方が決めればいい」→ こんなことなんだから俺はもうあとは知らないよ、てなもんである。
会見はわずか十数分。
しかし、確かに後任社長人事は難しいんだろうなぁ。
「正式手続き踏まず、尋常でない」=西川氏辞意表明で−竹中元総務相
竹中平蔵元総務相は10月20日、日本郵政の西川善文社長が辞任を表明したことについて、「政治家は(西川氏を)代えると言いながら、なぜなのかを明確にせず、正式な手続きを踏まず、嫌がらせのように一民間人に圧力をかけた。尋常ではない」と政府の対応を批判した。
竹中氏は小泉政権で郵政民営化を推進し、西川氏の招聘(しょうへい)にも深く関与した。今回の辞意表明を踏まえ、「西川氏には、ここに至るまで本当にご苦労さまでしたと申し上げたい」と述べた。(時事 2009/10/20-21:54)