第6巻の最初は6代目三遊亭圓生のインタビューである。圓生と志ん生は満州へ旅興行に行ったわけだけれど、当初は志ん生と今輔が二人で行くはずだったんだけれど、今輔の母親が亡くなってしまったので、圓生に声がかかったんだそうだ。それも延びに延びて昭和20年5月6日に上野を発ったのだそうだ。それが7月4日に旅興行が終わって関釜連絡船に乗ってかえる予定だったのだけれど、もう危なくって船が出ない。そのうちにソ連が攻め入って挙げ句に終戦。帰ってきたのは圓生は昭和22年の3月に帰ってきたのだそうで、船が離れた時には思わず「大連の馬鹿野郎!二度と再びくるか!」と怒鳴ったそうである。