ほぼ足りてまだ欲 その先

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森繁久弥

 晩年はとうとう本当にスケベ爺と成り下がっていた森繁だけれど、彼が良かったのはやっぱり東宝の三等重役、社長三代記から始まって、社長漫遊記シリーズで久慈あさみ淡路恵子淡島千景なんてところと競演していた頃だったろうと思うけれど、あの辺りを思い出すとどうしてもポマードの匂いが鼻に匂ってくるんだなぁ。柳屋のポマードもあの頃がピークだったんだろうか。
 みんな周りは森繁がスケベ丸出しだったのを知っているのに、今となっては放送で「お茶目」だなんて表現するのはそりゃずるい。この「おちゃめ」という言葉は大変に多くの意味を持つ放送業界特有の言葉になりつつある。元族出身のタレントの過去に触れると「若い頃はお茶目な奴で・・」だなんて表現しやがって、ずるいんじゃねぇのか。
 どうしても森繁というと三木のり平、伴淳、フランキー堺小林桂樹山茶花究加東大介なんてところが必ず一緒だ。私はこの中では森繁と加東大介はあまり好きじゃなかったなぁ。一にフランキー、次が三木のり平、そして小林桂樹だろうか。なんたってフランキーのハワイの日系二世役なんて秀逸だ。三木のり平といえばこれまたなんたって八波むとしと競演した「雲の上団五郎一座」だし、小林桂樹は「裸の大将」で一皮むけた。山茶花究の悪役なんて本当に意地の悪そうな蝶ネクタイだった。申し訳ないけれど、森繁は私にとっては偉そうで意地の悪そうな役者だった。役者も「先生」と呼ばれるようになっちゃおしまいだ。