ほぼ足りてまだ欲 その先

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気楽 無理

 この前の話の続きとなるけれど、内閣府が10月実施した調査では「20〜49歳の未婚者の4人に1人が将来も「結婚するつもりはない」と回答(回答者3322人)。女性は20~30代の約4割が「自由や気楽さを失いたくないから」としたが、男性は非正規雇用者の結婚意欲の低さが顕著だった(毎日新聞 2009年最終更新 12月5日 23時37分)」という結果だったと新聞が書いているけれど、これは驚くべき数字だと思う。
 人生を気楽にやりたいという。気楽にというのが何を意味するのかといったら、「伴侶」を得て人生上で起きるあらゆることを分け合うという楽しみよりも、共に暮らすことで多分発生するであろう、いちいちネゴをすることになるそのプロセスがいやなんだ、ということになるのだろうか。
 それでいてなにかと口を開けば友達が欲しい、友達になってくださいという。クリスマス・イブを一人で過ごす奴はおかしいといわんばかりの風潮だ。なんでそんなに焦るんだろうかと不思議になるほどだ。
 面白・おかしく暮らしたいんだけれど、その互いの関係にコミットするのはいやなのね。手には入れたいけれど、誰かに邪魔はされたくないのが「快適環境」。
 誰かに好感を抱いて、あ、この人とは可能なだけ時を共に過ごしたいなぁと思い、それが昂じてずっと一緒に暮らしたいと思い実現するのが結婚ではないのだろうか。若いうちにそんな気持ちになっちまう、というのが古来の人間の習性なのかと、私が思い込んでいただけなのだろうか。多分そうなんだろう。
 ま、飽くまでもアンケートなんだけれど、ここでは少なくとも25%が子どもを作らない可能性が高いというわけだ。
 男の方についていえばごく一部しかここでは明らかにされていないのだけれど、非正規雇用でいる人はいつ仕事がどうなるかわからないので将来の計画が立てられないということからだろう。
 こうなるとかならず取り上げなくてはならないのは非正規労働者の立場を考えるという話で、持ち上がる話は「労働条件の多様化」ということになる。必ずしも正規労働者として働きたくないという人はいるんだし、フレキシブルに働きたい人に応えるのが時代のニーズなんだなんてことをね。そんなのはこれまでも「アルバイト」という呼称があって、そういう労働者で成り立っている職場もあったし、そういう労働に応える人はずっと昔からいたんであって、それはこの10年に新たに生まれてきた概念ではない。
 そういう人も確かに存在している。皆無では全くない。小泉/竹中・自由競争市場確立画策隊が製造業からのリクエストに応えて労働者派遣法を製造業にまで拡げてしまう時にそういう理屈をくっつけて喧伝して歩いた。これもまた彼等が信奉する米国流のやり方の導入であったことはマイケル・ムーアの新作映画「キャピタリズム」を観れば全く同じ言い訳が登場することからも明らかだろう。
 今、この労働者派遣法を元に戻そうという考えに対して、賢そうに反論するいわゆる経済評論家なるものがおって、「今これを元に戻すと、製造業企業は待ってましたとばかりに現在就業している派遣労働者の首を切るだけで、多くの人が失職する」という。そうであれば製造業企業は生産量を落として生産調整ができるということか。しかし、世界の需要が戻った時には今度は正規雇用することになって正常化する。
 ということはこのシステムを持ち込んだ小泉/竹中は明らかにこの国を回復不能の状態にまでぶち壊してきたということであって、今更、こんな状況に国民をさらした、正に戦争犯罪人に相当する彼等を今でも持ち上げる一部マスコミは恥を知るべきだろう。