ほぼ足りてまだ欲 その先

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チリといえば

 今度の地震で沿岸の鮭の養殖場は相当なダメージを受けたのではないだろうか。ロイターによれば鮭養殖の盛んな地域は震源地から南に800-900kmほどいったあたりだというから、それほどのダメージはなかった可能性はあるけれど、少なくともいけすが流されるとか、網にダメージがあった可能性は充分にある。それよりも流通が途絶えることによって製品の出荷や、給餌が滞ることも考えられる。チリから来ている鮭の大半はいわゆる銀鮭といわれている類で日本の宮城県あたりで養殖している鮭と近い。わが国に輸入されている鮭の中ではノルウェースコットランドから来ているものはアトランティック・サーモンといってどちらかというとニジマスに近い種類でちょっと違う。銀鮭の方が値段は安い。だから、余計に鮭弁に影響があるという話になっているんだろう。
 先に大きな地震被害を受けたハイティに較べると遙かにチリの方が国民の生活レベルは高く、対応力もありそうなのに、それでも物資をめぐって略奪が起きる。人間はいざとなったらいろいろなことをしてしまう。
 豪州でかなりな数のチリ人労働者に出会った。なぜなのかは分からないけれど、cityで働いているビルの清掃スタッフにチリ人が多くいた。必ず愚痴を言う。チリで経験を積んだ仕事をここの国では評価してもらえない、こんな仕事しか見つからないと。言語的な問題は大きい。不思議なことに日本から来た人たちは喋るのだけが下手ッくそだ。ところが他の人たちはおしなべて、平気でべらべら喋るが、書かせたり、読ませたりするとからっきしだめ。これだとなかなか給料の高い仕事には就けない。それでもあとからあとからやってくる。
 かつて日本の大学で水産を学び研究したチリ出身者と豪州で知り合った。病弱な奥さんは豪州に入るビザを取得できず、チリに残したままサーモン・ファームで品質管理の仕事をしていた。都会に来て日本食を食べるのが楽しみだといっていた。あれだけのバックグラウンドを持ったスーパーバイザーを生かし切れない日本人管理者はそんなところで仕事をしちゃいけないんだなぁ。彼は今どこにいるんだろう。