先日の祭の時に、本者の神輿が隣の町会から渡されるのを遠巻きにしてみていたら、そこにたまたま来られた方が私たちよりひとまわり近く上の方で、その奥方と連れあいが話していた。どうやら、先日知人が鼓の舞台に上がった時に、師匠連の演奏の前で男踊りを踊られた婦人部の方だったそうだ。そうしたら、その方が、連れ合いに向かって「あらぁ、綺麗な東京弁をお使いになるわねぇ」と仰ったのだ。そういえば、東京ったって、方言というものはあるもので、それはテレビでNHKのアナウンサーがニュースを読んでいる時の標準弁とは大きく違っているものである。
そして東京弁がころころと、またしゃらしゃらと流れていると実は気持ちの良いものなんであるけれど、和が連れ合いがそういう言葉を喋っていたんだったっけかなぁとその時は考え込んでしまったのである。
私が意識してこれをやると、寄席でまだ年端もいかない噺家が喋っているみたいになってしまうのだ。