ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

久しぶりに街へ

 (写真:京橋のビル解体現場の向こうにまるで夏のような雲)
 新宿で保阪正康の話がある日だった。あんまり朝早く起きてしまったので、眠くてちゃんと行かれないかと思ったけれど、頑張った。
 頑張った甲斐があって面白い話だった。昭和27年の講和条約成立までの占領期に関しては若い研究者が総合的に書いているのはそれほど目立たないけれど、それは「占領」という「果」に対する「因」まで遡らないと分析が出来ないからではないか、という。1967年愛知県生まれの和光大の道場親信あたりを保阪はどの様に見ているのかを聞いてみたい。そういえば小熊英二あたりはどう見ているのだろうか。
 占領期に遭遇した世代は多分7つの世代に区分されるだろうという。アメリカは対日占領をそのまま対イラク占領に当てはめられると思っていたのが間違いの元だ、とこれはまんま分かる話だけれど、保阪の話はそこからまた一歩踏み込むのが面白い。

昭和史の深層 15の争点から読み解く (平凡社新書)

昭和史の深層 15の争点から読み解く (平凡社新書)

 朝日関連本でもないのにこの本がカウンターに置いてあって、女性出席者を中心に何人もがレクチャー終了後にサインをお願いしていた。私はBook 1stで、私にしては珍しく村上春樹の「海辺のカフカ」と一緒にこの本を買う。なんで今更「海辺のカフカ」なのかというと先日「少年カフカ」なる本を買ってしまったからである。本末転倒なんである。
 保阪は相変わらず多作なんだけれど、だからといってこの本を甘く見てはいけない。彼が今現在語ろうとしていることのエッセンスがここには詰まっていると思った方が良い。このあたりを聴かせて貰っている自分にとっては「お前のノート・テイキングじゃダメだから、こうしてまとめてやったよ」といわれているような気がしないでもないけれど。
 今日はなんの迷いもなく地下鉄を乗り継いで銀座・松坂屋地下一階にひれカツ丼を食いに行く。どうやら半年ぶりのようだ。出てくると夕立で多くの人が雨宿りをしている中を山野に行く。一階ショーウィンドーの中にメタリックブルーのモズライトが飾ってあって、どうやら加山雄三のサインらしい。多分例の「ヤンチャーズ」のプロモーションか。いくら何でも入場料15,000円はないだろう。
 Manhattan Jazz Orchestraのものをなにか欲しいなぁと思っていたんだけれど、「あぁ、これだっ!」というものにあたらなかったので諦める。本当に心の底から欲しいというもの以外は手を出してはならないのだと戒める。
 伊東屋に入って、どうもその辺のたががゆるんでしまったようで、大好きなCOPIC MULTI LINERの1.0mmを貰って降りていくとPILOTのVICUNAという0.7mmの油性ボールポイントペンをデモしている。つい手を出してしまった。いまいち好みの太さにはちょっと足りないけれど、その書きやすさはなかなか良い。これはヒットするな。一階まで降りてくるとPelicanoの宣伝をまたまたしていて、ついこの前ネット上で見た「蛙色」が気に入ったペリカーノがあったので手を出した。Fしかないのだけれど、どうせ鉄ペンだから超fineじゃない。只いつも思うのだけれど、デモ用のものはみんなが触るからペン先がスムースなんだけれど、いざ新品を持って帰るとそれほどでもないのだ。(追記:どれもそうなんだけれど、なんでPelicanoのキャップは軸の後ろにちゃんと刺さらないのだろう。そういう既成概念に縛られちゃダメだよ、といわれちゃうんだろうか。このタイプは右手遣い、左手遣いの別がある。)
 The Big Issueの5.15号は表紙が宮本亜門で巻頭が江川紹子のエッセー。江川紹子が東京出身、早稲田大卒で元神奈川新聞の記者だったということをはじめて知った。
本日:8,373歩