ほぼ足りてまだ欲 その先

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信州サーモン

 先日テレビで信州サーモンという養殖のサーモノイドを放送していた。もちろんサーモンという魚は海で育つもので、海のない長野県のわき水の養魚場で育つ魚はサーモンとは言い難い。
 見た感じはアトランティック・サーモンという大西洋に分布するニジマスに近い種類の鮭によく似ている。
 どういうことなのかと思って捜してみると長野県水産試験場こちら)が開発した魚なのだと云うことがわかる。そこでの説明を見ると、こんな具合に書いてある。

 ブラウントラウトの雌を雄性ホルモンで性転換させ、将来雌になるX精子しか作らないようにして四倍体ニジマス卵子と受精させます。こうして、すべて雌の三倍体が育つので、これを「信州サーモン」と命名

ということだ。この雌の三媒体には生殖能力がないので、在来の鱒と交配しても育たないそうだ。
 テレビで、養殖場で出荷サイズの魚の選別作業を見ていると3kgほどに育った出荷サイズのものはまさにアトランティック・サーモンにそっくり。
 確かにサーモノイドのカテゴリーには相違ないのだけれど、これを信州「サーモン」と名付けてしまうのは如何なものだろうか。
 どうしても気になるのはこれだけ手を加えた魚が本当に食用として問題がないのかという点だろう。

 数々の疑問に対しては長野県水産試験場こちらで解説している。しかしながら残念なことに、私たち消費者はこれまで多くの場合、公的機関が自ら「問題がない」としていることがそうでなかったことを数多く経験しているので、にわかには信じがたい。無学の私はこの種のことについて公正に解釈してくれる第三者の登場を待ちたいと思ってしまうのだ。