今週に入ってから歩いてないのはまずいなぁと思っているところに、寒いのだけれど、スッキリと晴れた朝になり、これは出掛けないわけにはいかないと生協の配達が来たのを契機に出発。
今日の目的地としてはアップルの銀座店に行ってMacBookAir11"をこの手で触ってみたい。神田神保町で、今日から始まった神田古本まつりを見に行こう。BRAUNのひげ剃りの替え刃を捜す。という三カ所。
まず京橋から一丁目方向から銀座に入り、銀行に寄って通帳に記帳。クレジットカードで使った分が引かれていて、ガックリ。そうか、あの分が今頃引かれちゃうのかと。そりゃ使ったんだから払わなくてはならないとはいえ、いっぺんに来ると結構ダメージがあって、うわぁっと思わず声を挙げてしまうという始末。
肩を落としながらアップル銀座に入る。今や大人気のMacBookAir11"は入って直ぐの真ん中の机に6台置かれていて、いつでも必ず誰かが前に立っている。しばらく傍観しているうちに空いたので、触らして貰った。これまでMacBookは一番安いものにメモリをめいっぱい積んだものを使っていたことがあるけれど、私はマウスを使ってみんなから顰蹙を買っていた。だからちゃんとトラックパッドを使ったことがない。これはクリックがパッドの手前をクリックするというタイプで、分かれていないトラックパッドなんだけれど、前のMac Bookの分かれているトラックパッドとあんまり変わらない。それでも二本の指で簡単に文字表示を大きくしたり小さくしたりできるのは便利だ。
大きさは本当にPowerBook2400cそのもので、薄さと軽さはいうことがない。ちょっと昂揚していたのか、聴かなきゃならなかったことを聴き忘れてしまったので、また出掛けなくてはならないなぁ。
寒いけれど、とても良い天気で、天気予報を聞くと明日からどうやら崩れるらしいというので、地下鉄を乗り継いで古本まつりが始まった神保町に出る。他に行き方があるのかもしれないけれど、銀座線で三越前に出て、半蔵門線で神保町に出た。靖国通りの南側の通りにはいつものようにそれぞれ出店が出ている。しかし、いくつ見ても魅力的な本がない。これまでだったら本の方から「ほらほら、見て見て」と云って来たものだけれど、そんな本に一冊として遭遇しない。どういうことだろうか。こういう時に出てきてもダメなのかもしれない。また、こつこつと歩く方が良いのかもしれない。やれやれと思って気がつくと昼飯を何も食べていない。その辺で立ち食いのうどんでも食べようかと思ったのだけれど、どうせなら御徒町に行って、ここは美味しいとどこかに書かれていた立ち食い蕎麦屋に行こうと移動。
どうやっていこうかとまた迷うが(こんな時のためにモーバイル機が必要なのか)、半蔵門線で水天宮に出て、そこから人形町まで歩き、日比谷線に乗って仲御徒町に行くことにした。ところが水天宮と人形町は離れているから、同じ営団地下鉄(今は東京メトロっていうらしい)でも、それぞれ160円払わなければならない。こりゃ今日は一日乗車券でも買うべきだったなぁと後悔。今日一日で800円使ったから充分元が取れたはずだ。
仲御徒町の駅を一番銀座よりの階段で地上に出ると、昭和通りに面して「せんねんそば」があったけれど、今日の目的は「二八のかめや」である。ここはカウンターに全部椅子があって、チケット自動販売機はない。蕎麦を茹でているお兄さんに頼んで、現金を支払う。土曜日の八丁堀のゆで太郎と同じようにたぬきうどんを注文。ここのおつゆは旨い。なるほど、評判はここにあるんだなと思う。しょっぱさがきつくなくて、旨味がある。「お、出汁を奢ったね」と時そばのようにいいたくなる。しかし、うどんがいけない。うどんはゆで太郎に軍配が上がる。それこそ「時そば」の「病人じゃねぇんだからうどんみたいな蕎麦が」のうどんのようで締まりがない。320円。
さて、仲御徒町といえば、平日休日を問わずにいつでもごった返すほどのお客でわんわんしている多慶屋である。この周りにも食べ物やさんは何軒も出ているけれど、多慶屋のレシートを持ってくると980円の寿司が100円引きになるなんて店もある。なんでここに来たのかというと、BRAUNの替え刃が欲しかったからだ。替え刃を見ているところにひょんと店員のお兄ちゃんが来たので、現物を取り出して、これの替え刃はどれだい?と聴いた。このお兄ちゃん、得たりや応と私のカミソリを見て、ためつすがめつしてたけれど、結論は「去年の今頃までは出していたんですが、もうBRAUNが作ってないんですよ」というのである。なんちゅうことだ。
実は私は既にブラウン・ジャパンとbraun.comのサイトからとパラレルに問い合わせをしていた。このひげ剃りは14-5年前に豪州で買ったものなのでbraun.comからはAustraliaというセクションを選んで問い合わせた。
私はこのメーカーのひげ剃りを48年前から愛用していてこれが4台目になる。3台目は壊れたわけではなくて、当時東京に出張した時に忘れてきてしまって、Sydneyに戻ってから慌てて近所の家電量販店で買ったものだ。日本への帰国に際してこれももちろん持ち帰り、帰国当初、電源ソケットが違うので焦ったけれど、BRAUNはちゃんと電源コードを別売りしていて、直ぐに対応できた。つまり私はひとつのひげ剃りで二種類のコンセントを入手したわけで、これはその後も重宝した。
ブラウン・ジャパンの最初の回答は番号が合致しないというものだった。今度は写真を撮って添付して送った。すると今度は「写真を添付されても当社のメールでは見られない」というものだった。今度は本体に印字されているものをすべて書いて送った。もちろん最初からSydneyのHarvey Normanで買ったと明記した。結論はブラウンは各国の事情に合わせて開発しているからブラウン日本では特定ができない、というものだった。それだったら最初から豪州で買ったのだといっているのだから既にそこで見当がついても良かったはずだ。
一方、braun.comからの返事はP & G North Americaからの返事で、本体は既に製造が中止されていてひょっとしたらこのタイプの替え刃が合致するかもしれない。もしダメなら新しいものをお買い求め下さいというものだった。
本体は実に頑丈にできているから、あたかもまだまだ何年も動きそうで、不穏な音など微塵もない。こういうところが頑迷なまでに頑丈なのがドイツ・プロダクトの真骨頂といえるだろう。ここが日本製では到底考えられないところだ。まぁ、日本流にいえば、そんなにいつまでも本体が持ったって部品供給していられないんだから無意味だということになる。しかし、果たしてそれは正しいだろうか。経済的効率性ということを考えるとまさしく正しいと云って良い。だけれども私はその小賢しさが嫌いだ。
だからといってBRAUNのこの姿勢を許すものではない。これだけ約半世紀にもわたってこのメーカーのひげ剃りを日夜愛用してきたのはいつまでも変わらない安定性にその理由があった。いつ壊れるのかわからない不安というものが全くないという安心感だったのだ。それを腐るものでもない交換部品をたかだか10数年で払底させるとはとんでもない考え方だといえる。
私はブラウンの日米双方に苦言を呈するつもりである。(ところでブラウンドイツはどうなつているのだ?)。次のひげ剃りをどうして良いのか見当がつかない。この期におよんで、なんだか気味の悪い格好になってしまっている今時の電気ひげ剃りなんぞをおどおどしながら試す気になかなかなれないのである。
今日の散歩は落胆続きであるためか、9千歩に届かなかった。
夜になって先輩から電話である。何事かと思ったら今日の夕方にあった、学徒兵で戦死した方の「武運長久」日の丸が元米国兵の元から遺族に返され、それを記念しての礼拝があったのだった。私は全く忘れていたのだった。そろそろどこかの官房長官じゃないが、健忘症にかかっているやも知れぬ。そういえば彼の官房長官はわずかに一歳年上なだけでよい勝負だ。
(先輩、すみませんでした!_(_^_)_ )