ほぼ足りてまだ欲 その先

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「Japanese American」

 昨日から5日連続でTBSが開局60周年記念としてのドラマ「Japanese American」を放映する。脚本は橋田壽賀子で、出てくるセリフは岸恵子八千草薫がいっているんじゃなくて、あたかも橋田がいっているように聞こえてくる。
 それにしてもなんだか日系米国人社会の歴史を口早に、一斉に焦って、セリフでたたみ掛けているようで最初のうちはどうも鼻白む雰囲気がして仕方がない。
 こんなことをいっては申しわけがないが、やっぱり岸恵子という女優の台詞回しはいつまで経っても変わらない。
 草なぎ剛はこんな最初から出てきちゃったら直ぐに出番が終わっちゃうじゃないかと思ったら二世の役も彼はこなすのだそうだ。
 草なぎの役の一世は日本から写真花嫁を招く。写真の女性と入れ替わって妹がやってくる。それがイモトアヤコなんだが、その後を演じるのは泉ピン子だそうで、これはなるほどだった。
 写真花嫁については、米国でとにかくこんな野蛮なことをやる黄禍(yellow peril)たる日本人の行動として悪評が囃したてられ、日本政府はこれを禁止した。
 実はこれは日本人の専売特許ではなくて、WW-II直後の豪州に大量に移民してきたイタリア人の中にもこうして本国から嫁を呼び寄せたという事は事実として記録されてもいる。どんな時代にも移民たちの中には珍しいことではない。
 それにしても日本人は自らの近現代史について殆ど興味を持っていない。私も人のことはいえないけれど、アジア太平洋戦争についてもあんまり興味を持たないし、掘るつもりもあんまりなさそうだ。私の場合は近現代史以前について全く知らないことに問題が大きいけれど。

 今日はついに真珠湾攻撃を迎えた。しかし、このドラマは所々で、気になるところが出てきてしまうので落ち着いてみていられない。いくら橋田壽賀子の脚本だとはいえ、そういうところをキチンと検証したないと、歴史がらみのドラマはその嘘っぽさにガックリ来てしまう。
 草なぎ君の恋人の仲間由紀恵はSeattleから出港した日本行きの船から飛び降り、泳いで戻ってきてしまう。これは相当に無理な想定だ。動き出して直ぐだったのだということになるんだろうなぁ。那覇にいった娘のひとりはおばさんとともに沖縄の砂浜を歩いて行く。こんなことあるものか。1941年12月7日は日曜日だった。そんな日にHiramatsu Farmは農作業をしているのか。日曜日でも。そして草なぎ君は日曜日にも関わらず学校に行って帰ってきたのか。
 どうして周りの人間は、それはいくら何でもおかしいぞといわないのか。
 だったら見なきゃ良いのに、こりゃ、怖いもの見たさ、とでもいうのだろうか。