ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

海上保安官のコメント全文

 神戸海上保安部の海上保安官が16日未明、公表したコメントの全文は次の通り。(原文のまま)
 私が今回起こした事件により、国民の皆様、関係各位には、多大なるご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。海上保安庁の皆様、中でもお世話になった方々や今回の件でご苦労されている方々に対しては、申し訳ない気持ちで一杯です。
 今回私が事件を起こしたのは、政治的主張や私利私欲に基づくものではありません。ただ広く一人でも多くの人に遠く離れた日本の海で起こっている出来事を見てもらい、一人ひとりが考え判断し、そして行動して欲しかっただけです。
 私は、今回の行動が正しいと信じておりますが、反面、公務員のルールとしては許されないことであったと反省もしております。
 私の心情をご理解いただければ幸いです。(2010/11/16 01:39 共同通信

 彼は多くの人間に対して、考えた上で行動しろと、彼が考えていることを慮ってたちあがれと檄を飛ばしている。
 国家が管理する情報を国家の方針に反対する国家公務員が個人の考えで公開したわけだからこれは明確な国家に対する抵抗を意味している。そしてその行動を国民が支持して行動せよと呼びかけている。しかも、彼はこの期におよんでも自分の行動は正当であると主張している。これは2.26事件の青年将校たちとどこが異なるというのか。
 如何に菅直人政権が本件に関してグズグズであり、私が当初から主張していたように、即座にこのビデオを全部明らかにして、中国漁船の不当性をあからさまにするべきであったのだけれど、実際にはそれを怠り、政治的決着を拙速に選択してしまった以上、その後は厳格に管理するしかなかった。
 彼が上司に白状して以来、彼の言動や、取り調べに対する反応もすべて新聞・テレビではボロボロ漏れてきていたけれど、世論という実体のない、あるいは実体のあるものに紛れた形で、彼の行動を支持する考えが報じられているのが真実なのか、あるいはそうしたマスコミがねつ造しているものか、今はもう既にその真偽は見極めることができない。
 彼個人の行動によるものであるのかどうか、今となっては誰もその裏を取ることができていない。
 ひょっとしたら、彼の行動はある種の権益を死守するがための集団によって支えられているということだって、考えられないことではないのだ。
 彼のこんなコメントが敢えて発表され、彼がリリースされるやいなやマスコミによって報道され、そのまま朝刊に間に合うであろうタイミングであることに、なにぶんかの不自然さというか、必要以上のスムースさを感じないわけにはいかないのだ。