ほぼ足りてまだ欲 その先

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QLDの洪水

 昨年のクリスマス・シーズンから豪州クイーンズランド州の洪水はちっとも衰える様子を見せず、新聞、放送によると水曜日がそのピークに達するのではないかといっている。そもそも豪州北東部、つまりクインズランド州の北の方にはこのシーズンには台風がやってくるのが常で、お正月休みにケアンズにいってえらい目にあったと仰る方が多いが、それは雨季まっ只中に出掛ける方が悪いといってしまう。
 それにしても今回は雨量が飛んでもない量に達して、Rockhamptonという州都Brisbaneから500kmほど北にある街ではFitzroy Riverが氾濫して広大な地域が水に浸かっている。
 もともとこのあたりでは川を護岸するなんて飛んでもないことで、通常の時でも車で走っていると道路の横に「この道は大雨が降ると水に浸かっちゃったりするから気をつけてね」と書いてあるのが当たり前で、それは何もこのあたりだけではなくて、豪州全土でその思想である。Sydney近郊でも普通にこんな表示を見るのである。従って一旦水が出てから引くのに時間がかかる。
 クイーンズランド州のこのあたりはA-1と称する国道も片道一車線で、両側は辺り一面サトウキビ畑で、ちょっと建物が集まっている街が来るとそこに古い、一体いつ作ったんだろうと思われるような製糖プラントが建っている。砂糖産業は全世界的な需要の減少で衰退時期に入っていると云っても良いが、それでもなくなっては困る産業である。
 もうひとつのこのあたりの産業は石炭で、露天掘りがどんどん掘り尽くされる中で、今や地中でのロング・ウォール採炭山がどんどん生産を上げつつある。しかし、こっちの方も長い期間鉄道が水没、あるいは基礎が流されるような事態が起きると、出荷ができなくなって鉄鋼用の原料炭にしても発電用の一般炭にしても販売が減少することになる。
 豪州気象庁は川下に当たる地域にも警報を発していて、NSW州のリズモーから西約500kmのGoodoogaでボックハラ川が決壊する危険があり、史上最大規模になりそうだという。