ほぼ足りてまだ欲 その先

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森永の地球儀

 昔の銀座の写真が写ると晴海通り沿いに森永ミルクキャラメルの地球儀になった動くネオンが必ず映る。で、自分でもあれを見た記憶はある。しかし、あのネオンはどこについていたんだろうとある日思った。で、ネットでサクサク検索をすると、ちゃんとそのことをブログかなんかに書いてくれている人がいる。
 それによるとあのネオンサインは昭和28年というから1953年4月11日に工費3000万円で不二越ビルの屋上に設置されたと書いてある。東京都中央区銀座5丁目5-4にあるビルで、不二越ビルは2007年にアルマーニの名前で新築されている。路地を挟んだ晴海よりの角は今はDiorかなんかになっちゃっているけれど、ここに洋書のイエナと近藤書店があった。当時、私は教文館を知らなかったから(なぜだか知らないけれど)近藤書店に必ず入っていた。近藤書店に3回入ったらイエナに1回くらいのでしかなかっただろう。どうしても当時の洋書は高くて、手が出なかったからでもある。それでも植草甚一が書いたものを話の特集なんかで読んでいると、洋書というものは雑誌でも面白そうだなぁとは思っていた。いつだったか近藤書店で本を見ていたら、突然赤い鉢巻きをした店員さんがドドッと入ってきて、「恐れ入ります!只今からストライキに入らして戴きますっ!」といった。驚いたけれど、そうか、そりゃ頑張った方が良いぞと店から出た記憶がある。
 このあたりには「天金」という天ぷら屋があった。ものの本によると池田弥三郎慶應の国文学の先生で、NHKの「私の秘密」なんかに出ていて有名。ジャズ・クラリネット北村英治の先生)の実家だったか親戚だったかである。私はその確かな場所を思い出せないでいる。前にもここに書いたけれど、未だに思い出せない。あそこの店で一番食べたのは多分というか、間違いなく天茶だろう。つまり天ぷらの茶漬けなんである。しかし、あれ以来そんな喰いものにお目にかかったことはない。
 晴海通りといえば三越の今は新館になっているあたりだろうか、あそこにオアシスという喫茶店があった。何度か入った記憶がある。もう今となってはどの辺だったか、全く見当がつかないのだけれど。
《写真:右が今の不二越ビル、道路を挟んで左が近藤書店とイエナが入っていたビルのあとに建ったDiorの入っているビル》