うちの区だけじゃないけれど、うちの区でもコミュニティ・バスが走っていて、地元の人間だけじゃなくて、遊びに来る人たちも結構これを利用している人たちがいる。一方向に走るだけなので、乗るところと降りるところの関係においてはえらい遠回りになってしまってとても使えないという場合があるけれど、場所によっては100円という金額でとても便利だ、という時がある。
さっき区役所に行った帰りに5停留所分だけだったけれど乗った。後ろに70代中頃から後半と覚しきおばあさんが二人で乗っていた。人のことはいえないんだけれど、お年を召すと結構耳が遠くなるからお互いの話が大きな声なので、とても良く聞こえる上に、このコミュニティ・バスは小さいから席が接近している。
「あの人ももう80代でしょ？」「そうねえ、85-6になるかしら」「だったらもう働かなくたって良いのにねぇ。お金なんてあっちに持って行ける訳じゃないんだから、好きなようにつかやぁいいのよ」「でも、働いて貰えるっていうのが良いのよ」「そうじゃないわよ、あれは欲深いからよ」「そうかしらねぇ」「そうよ、欲が深いのよ」
黙って聞いていて、思わず「そうだ、そうだ！」と相づちを打ちたくなったけれど、その「欲が深い」という言葉が久しぶりに聞いた言葉だった上に、笑い出しそうで参ったけれど、そこでナイス・タイミングで私が降りる停留所にやってきた。
