ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

東進

 少しずつ東に向かって動いていく。今日の朝から湖水地方に足を踏み入れた。湖水地方といえば英国を思っていたのだけれど、オーストリア湖水地方も非常に美しい。しかし、なんとなく昔ながらの観光地という印象がして、その素朴さが良かったり、侘びしかったりする。
 どこのどんな町や村に行ってもカトリックの教会が必ずあって、一体どこから見て、何をじっくり見たらよいのかわからないほどに様々なしつらえが施されている。
 今日は日曜日だし、聖霊降臨節でもあるので、「サウンド・オブ・ミュージック」の撮影に内部を使ったといわれるモンドジィーの大きな教会も盛大な礼拝が行われていた。折しも私が扉を開けたときには、アンセムを二階でクワイアが奏唱している時だったのだけれど、その伴奏はパイプオルガンだけではなくて、なんと弦楽が加わっている音がしていた。なんと豪勢な礼拝だろうか。こんな礼拝を見たことはこれまでにない。ところがそこに入ってきた日本人がなんとフラッシュを焚いた。「フラッシュを焚かないで」といったら、何とも軽い調子で「はぁ〜い」といった。あまりにも人を馬鹿にしている調子に腹が立った。止めてくださいといわれても止めないし、他に撮影している人間がいると何で私が止めなくてはならないのか、という顔をする。
 その後に行ったザンクト・ウォルフガングの教会では礼拝が終わったばかりだったが、入り口に撮影禁止のマークが書かれていたにもかかわらず、カメラを振り回す。ここではイタリア人も、ドイツ人もカメラを振り回す。礼拝中の撮影は遠慮してくれというところは多いけれど、そうでないときでも撮影をして欲しくないという教会はまれではない。
 グループ行動をしているときでも自分の行動を自分で判断するということのできない人は少なくない。しかし、その割合が日本人では大きいのではないかという気がするのは間違いだろうか。それは日頃の教育の結果だと断じることは簡単だけれど、どうやらそれだけではないという気がしないでもない。
 今日と明日宿泊するバード・イシュルのGoldenes Schiffというホテルは街中にあって、狭いけれど、設備も最新で、wifiは部屋でもびしばしつながり、部屋には大きなサムソンのデジタルテレビが入っていて、NHK Worldも見ることができる。ただしどうもどこかの部屋の話し声が聞こえてくるような気がする。何を言っているのかわからないのだけれど。