ナイアガラの滝のカナダ側で、柵を跨いで写真を撮っていた日本人の19歳の女性留学生が、降りようとしてバランスを崩して滝に落ちてしまい、それから行方がようとして知れないのだというニュースをテレビで知った。その場を見ていた女性がカメラの前で証言をしていたし、なんでも監視カメラにもその様子が写っていたのだそうだ。柵があったのに。
私はナイアガラの滝を見たことがない。テレビで観たことがあるだけだ。あれだけの圧倒的な水量が落ちていくと、さぞかし滝壺には大きな渦が巻いているのだろう。昔からナイアガラでは船に乗ったり、樽に入ったりして飛び降りて生還するという向こう見ずな挑戦をした人がいたのだという話も聴いたことがある。
未だに彼女が見つかったという報道はない。とっくに下流に流されてしまったのか、さもなきゃ未だに渦の中に閉じ込められているのだろうか。
柵があったのに、落ちてしまったというのが酷く残念に思える。柵があるというのはまだ良い方で、柵がない、そうしたところはいくらでもあるのに。親は悔やんでも悔やみきれないだろうが、本人は留学半ばでもっと悔やみきれない。
