さすが上野先生で、「おひとりさまの老後」の本の触りをちょいと覗いただけで、先生が本音をどんどんバリバリいっているのでむしろあっけらかんとするのである。これを読んでいると連れあいのために別居した方が彼女にとってプラスになるんだろうなぁという気がしてくるかも知れないと危険で先を読めない。
しかし、取り上げられる事例を見ていると皆さん、金銭的に余裕のある方々ばかりだ。現実はそんなわけにはいかない。なにしろあと何年生きられるのかわからないし、いついっかどんな状況に陥るかわからないのだから、毎日の生活をつましくするしかない。それが人生の展開を閉ざすといわれても、それがこの国の現状だから仕方がない。
最後はどんな状態だろうと一定の絶対額を確保するだけで、後の資産全部を国庫に入れることによって介護が確保されると決まっていれば、みんなどんどん資産を吐き出すだろう。国庫に持っていかれるくらいなら自分で遣おうと。
しかし、そんな制度に納得するわけがないだろうなぁ。なにしろ高累進化税を誰も受け入れようとしやしない位なんだから。
- 作者: 上野千鶴子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/12/06
- メディア: 文庫
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (9件) を見る