ほぼ足りてまだ欲 その先

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大学の入試

 朝日新聞電子版、無料記事にこんなことが書かれている。(朝日新聞は電子版の本文全部は購読していないと読めない。)

都教委、早大受験者数調査 入試で「君が代」義務化出題
 早稲田大学(東京都)法学部が15日に実施した入試の問題文で日の丸・君が代をめぐる教員処分問題を取り上げ、これに対し東京都教育委員会が、一部の都立高校に同学部の受験者数について異例の調査をしていることがわかった。都教委は都立学校の教員に、君が代斉唱時の起立などを通達で義務づけている。
 日の丸・君が代の問題を扱ったのは、同学部の受験科目のうち、選択科目の「政治・経済」で、問題文を読んで答える方式。問題文は「卒業式や入学式で君が代を斉唱するときに、教員に対して起立することを命じ、起立しない教員を処分するという措置の合憲性が争われている」などとし、思想の自由や学校行事の円滑な遂行など様々な考え方を紹介し「教育には強制はふさわしくないのではなかろうか」と締めくくっている。
 続く設問は、都の場合として「不起立者に懲戒処分を課しているのは誰か」と尋ね、校長、教育委員会、知事、都議会、文部科学大臣から選ばせる問題など。「起立命令と最も近い形態を選べ」として、宗教などの事例を挙げて選択させる問題もあった。(2012年2月20日3時1分)

 
 後追いの讀賣新聞がこんな記事を電子版で書いている。

これを受け、都教委は17日に約30の都立の進学校に、同学部の受験者数と政治・経済の選択者数を回答するよう電話で依頼した。
 都教委は「問題を見た受験生や保護者が都教委の見解を求めてくる可能性があるので、受験者数を把握した方がいいと判断した」と説明。そのうえで、「問題自体に明らかな誤りがあるわけではないので早大側に問い合わせをするつもりはない」としている。(2012年2月20日12時00分 読売新聞)

 読売の記事があたかも東京都教育委員会の言い訳をバックアップしているように見える。Googleで検索するとこの件に関して他に記事を書いているのは今のところ日経とデイリースポーツのようだけれど、中身は全部読売と一緒だから、都教委の発表コメントか、どこかの配信かも知れない。
 
 これはとんでもない話で、東京都教育委員会が一体全体なんの権限があって一民間大学の入学試験に絡んでこの種の問い合わせをする権利を有しているというのだろうか。ひょっとすると個人の特定とその個人の回答まで調べている可能性がないとはいいきれない。早稲田大学がどの様な対応をしたというのだろうか。そして各都立校高はどんな対応をしたのだろうか。多分この問い合わせは早稲田大学もしくは都立高校からのリークに違いないだろう。だから情報を出していないという可能性も考えられるだろうが、そこは確たる情報はない。

 そもそも国歌国旗法もさることながら、この都条例そのものは憲法で保障されている思想信条の自由に明確に抵触している。あの苦々しい時代をなぜ払拭するという方向に議論が動かなかったのかと大変に残念でならない。私が生まれたこの国には「水に流す」という言葉があってなんでも通り過ぎればチャラという風潮が本当にある。あの戦争ももう終わってから70年に近くなろうとするくらいだから、とっくにこの国では水に流されてしまったはずなのに、いつまで経っても仕切り直しをする気はない。流しちゃったんだから、仕切り直しもヘッタクレもないのである。だから流したりしない周辺から聞こえて来る話とどうしても噛み合わない。それでもシレッとしている。金の力があった時はそれでも押さえ込めてこられたけれど、金の力も衰えてくるようになると、どんどん顕在化してくることも考えられる。
 ひょっとするとサディストでマゾイストなのかな。縛られることは好きなのかも知れないなぁ。「畏くも!」カツン!という雰囲気が好きなのかも知れない。そして誰か弱い層を見つけ出して固定化していじめ続けるのが堪らなく好きなのかも知れない。でも、それじゃ中学の不良グループとどこが違うんだろう。未成熟といわれても文句のつけ用がないな。

 今週金曜日の都知事の定例会見でこの件を質問する者がいなかったらクラブも本当にもう終わりだな。それでなくても元不良小説作家にいいたいようにいわせておいてなんの追求もできない奴らばっかりだからしょうがないのか。