ほぼ足りてまだ欲 その先

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文明はなぜ途絶するんだろう

 NHKのテレビが2時間でまわる大英博物館なんていう企画をやっていて、随分懐かしい光景を見た。しかし、覚えている彫刻もあるし、全く覚えていないものもある。そういえば大英博物館には1時間くらいしかいた記憶がないから、ろくすっぽ知らないのだ。
 で、紀元前の時代のレリーフや彫刻を見ていて思うのは、彫刻に限っていうと、どうしてあんなに昔に既にその頂点に達してしまったのか、ということだ。もうこれ以上の作品レベルというのは考えられないというくらいの高みに2千数百年前に到達していたというのは驚くべき事ではないのだろうか。他のジャンルを考えても断トツに彫刻が完成しきっていた。絵画というジャンルは材料の問題がきっととても大きくていつまで経ってもクリアーできなかったのだろう。じゃ、音楽はどうだったのかといえば記録の仕方がなかったのだろうから、どうだったか全く想像の仕様がなかったのだろうか。五線紙の上に譜面を書いていくという記録の方法が考え出されたのは一体いつの話だろうか。
 そうして、考えるとモダンアートの彫刻というのは具象ではあり得ないということになるほど感性の高みに達しているといって良いのだろうか。
 しかし、しかしだ、お立ち会い!そんなに技術的にも完璧であった文明はどうして今では全くなんちゅうこともない地域となりはてているというのだろうか。チグリス・ユーフラテス地域も、インカも、マヤも、エジプトも、メキシコも。みんながみんな今ではなんちゅうこともない地域で、そんなに他の地域から断トツで高度文明の末裔たる完成された倫理観、価値観を備えた人たちで充ち満ちているかといったら全くそんなことはない。むしろ直ぐさま腕力に頼りそうな人たち、価値観が満ちていそうにまで見える。(こんなことをいったら差別的だと責められそうだ)。
 高みにのぼるとあとは真っ逆さまに落ちていくしかないのはよくわかった。わが国もこれから下り坂に直面していくのだろう。