ほぼ足りてまだ欲 その先

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多民族化

ベルギーという国にこれまで興味はあったかといったらはずかしながら全くなかったといって良いだろう。たまたま親戚の女性でベルギー人の男性と知り合って結婚したのがいて、彼や彼の母親が我が家に遊びにきたりして、接点があったくらいといって良いだろう。
それがベルギーにも面白い建物がいくらもあるし、好きなタイプの絵画にフランドル絵画があるので思い切ってやってきた。すると予期していなかったのは大変な多民族国家であったということだった。なにしろイスラム系の民族が全人口に占める割合は27%とも言われているそうだけれど、それは国籍をことにする人達の数でしかない。ベルギーで生まれた子どもたちは将来的に国籍を選択することになるが、その殆どがベルギー国籍を取得しているわけだから、彼らを含めると全人口の過半数を超えると言われているそうだ。
確かにブリュッセルの街を歩いているととても高い割合で頬被りをしている女性を見かけるし、それらしき男性も非常に普遍的にいる。子どもについては下校時間帯にバスやトラムに乗ってみるとよくわかるけれど、半分を超えているのではないかというほどだ。
ところが、クラッシックのコンサートやら、王宮でのイベントなんかに行ってみるとほぼ白人だらけで、アントワープの繁華街の土曜日の様に、アフリカンの人達がずらずらっと歩いているということもないし、ブリュッセルで毎日午前中に開かれているジュドバル広場の蚤の市という名称のガラクタ市の様に、アラブ系の言葉が公に叫ばれているということはなかった。
この国の中でうまく行っているのか、うまく行っていないのかがよくわからないけれど(想像したら簡単にいえちゃうかもしれないけれど)、大変な多民族化が進んできたことがわかる。こういう状況にいる社会とそうでない社会が共通認識を持って語り合うということは非常に困難が伴うだろうことは容易に想像が付く。(素人考えはなんでも簡単に断定できてしまって、困ったものだ。)
今回の旅で初めてアジアの味に対する郷愁が湧いてしまった(要するに食いたくなったということだ)のでアントワープ駅前の修復中なのか、新設中なのかわからない中華門がある方に歩いて行ったのだけれど、看板はあるもののなんとも怪しい一角だったので、踵を返して街中のチャイニーズに入る。なんとなくいやな雰囲気はしていたのだけれど、入ってみると全く歓迎ではないという雰囲気だった。それでも背に腹はかえられないからこちらがニコニコしてチャーハン、青菜いため、ワンタンメンを発注。落ち着いて周りを見回すとなんとインド人の家族、あるいはインド人を交えた白人のグループばかりで、奥には続々とインド人が入っていく様でパーティーの様だ。この街のダイヤモンド取扱はユダヤ人だけでなくて、ここの所インド人の進出が顕著だとは聞くがこれだけ目に見えているのが面白い。それでも街中にはアフリカ系、イスラム系が溢れている。