ほぼ足りてまだ欲 その先

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つかめない

アントワープ中央駅の前は鉄道、地下鉄、トラム、プレトラム(地下から発着するトラム。中心から離れると地上に出る。)、バスが発着するものだから朝から人がワンワンしている。しかし、よく見ているとバスやトラムの駅周辺にはいわゆる移民というジャンルに属するアフリカ系、中近東系、アジア系の人たちばかりだ。不思議なことにここのところ宝石業界への進出が目立つといわれるインド系住民はこういうところにはほとんどいない。いるとすれば学生だろうか。
コンサートやオペラにいくと、ここではユダヤ系の住民の圧倒的な多さが印象強い。ここにもインド系住民は全くといって良いほど見かけることはない。東洋系も全く見ない。観光ポイント、例えばマルクト広場にいくと、観光客はもちろん多民族だけれど、駅前に溢れかえっているタイプの多民族住民とは明らかに異なる。それを如実に知ることができるのはトラム、プレトラム、バスといった公共交通機関を利用することだ。
こういう環境に身を置いてみると、日本という文化は実にシンプルなことを知る。それなのに、うまくやっていくことができないことが不思議だし、あまりにも民族的にウブすぎる。この街を見ているとナショナリズムとは一体何かと考え直す必要を感じる。ナショナリズムの根拠の脆弱さ、そんなものに固執することの意味を考える必要を感じる。いや、そこに収斂させないと収集がつかなくなるのだろうか。むしろ誰もが参加できる統合意識といったものを作り出す必要があるのかもしれない。ベルギーという国はアフリカの植民地をないがしろに放り出したという実績があるから、その辺の技術を見つけられないかもしれない。イヤイヤ他国のことをいっている場合じゃなくて、私の国もそれを見つけられるだろうか。