ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

コンセルト・ヘボウ

2-3ヶ月前からネットで切符をおさえにかかり、ようやく引っかかって見たらアムステルダムのコンセルト・ヘボウでのコンサート。Marris Yansson指揮、リヒャルト・シュトラウスを三曲。「かくかたりき」「メタモルフォーゼ」「薔薇の騎士」。
私の席はどうやって席を選択したのか、もうとっくに忘れてしまったのだけれど、なんとアリーナの一番上手側の最後列。つまりステージに向かって左後ろの隅。多分ステージまでは50mは優に離れているだろう。これだけ離れているとプレイヤーの楽器から音が繰り出されたとしてもそれから七分の一秒は遅れて届いてくるという理屈にはなる。
「かくかたりき」についてはもう語るまでもないだろうけれど、イントラよりもそのあとのメロディアスなところが気持ち良い。「薔薇の騎士」のあたまのホルンの轟がとても良い。8本のコントラ・バスのうち女性が3本というのにはちょっと意外だった。
本日は聴衆の中の日本人率はこれまでになく高いが、2-3のツアーが絡んでいたらしく、ゾロゾロと列を作り、前の人につながって入ってくる。そして指揮者が入ってきて、短い拍手の間に空いている席にどんどん動いていく。見苦しい。こんなところまで「旅の恥は掻き捨て」なのが耐えられない。死ぬまでにもうここにこられることはないんだから、自分の気が済むようにして何が悪い、という居直りを感じる。それをいい出したらこの世の中にルールなんていらない。みんなが勝手に自分がやりたいことをやればいい、といっているのと全く変わらない。自分が取ることができたのがそこの席だったんだからそれでいいじゃないか。潔さがない。妙な狡賢さが嫌だ。
もうヨタヨタで誰かの助けがないと歩けないようなおばあさんでもこの演奏を楽しみに出てくることのできる世の中は羨ましい。
帰りのトラムの中で妙に甲高い声でしゃべる若い外国人がいる。耳が悪いのか。