ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

地震

 昨日は夕方に地震があった。あった、といってもそれは人づてで、私は多分地下鉄の中にいたのだろう。丸ノ内線で国会議事堂前に向かっていた。
 総理官邸前の交差点の歩道に(主催者発表で)2,700人の人たちがほぼ3-4列で並んでいた。手に手に「原発はいらない」「大飯再稼働断固反対」というようなプラカードを持っている。しかし、それは総理官邸の反対側、国会記者会館に沿った歩道である。私は最初その建物が新聞記者が常時詰めている建物だとは知らなかった。黒塗りのハイヤーが何台も出たり入ったりするので、国会議員やその種の人間がいる建物かと思った。つまり、新聞記者はそんな車をチャーターしているということで、かつてはそんな車に各社の社旗を誇らしげに掲げて走っていたものだった。記者の取材といえば腕章をして抗議の人たちの中を縫って歩いているのは「しんぶん赤旗」だけだ。テレビクルーがカメラを抱えていたのは一社だけだった。マスコミはほとんど興味を持っていない。
 ひと頃参加していた反原発デモに比べると非常に地味な集団だった。あのデモは最初の頃、参加者のほとんどがリタイア組だった。その後鳴り物が入って派手になっていった。しかし、今日の集団の主流は勤め帰りの人たちだった。それも30代40代が圧倒的で、若い女性たちもグループではなくて、一人一人で参加していた。だから、ぺちゃぺちゃのおしゃべりが全くない。一人で来ている若い女性がシュプレヒコールにも声を出し、プラカードを掲げていたのは印象的だった。
 一方取り締まる側は相変わらずの圧倒的な警察官の数だけれど、もめ事が起きる可能性はほぼないから強面でなく、できるだけ表情を作って反感を持たれないようにしているのがわかるけれど、道路を挟んだ向こう側に、これはもう圧倒的な数の私服警官が立ち並んでいる。それがどうして私服警官だとわかるのかというと、単眼鏡で反対側をチェックしていたり、人数を数えて照合していたり、制服警官としゃべっているからだ。中には抗議者のいる側と警察官がいる反対側を行ったり来たりしているのもいる。
 それにしても総理官邸側の歩道に入らせないというやり方は、東電本社に抗議に行っても反対側の歩道にしか入らせないやり方と一緒だ。
 議員会館は抗議の人たちを遙かに見下ろしているけれど、その窓からは誰もこの抗議行動を見ようと出ては来ない。こんな事でなんの意味があるんだろうかという気になるけれど、みんないたたまれなくて出てきている。それはシュプレヒコールのリードがなくても「再稼働は反対だっ!」と叫ぶ人たちがいるという事からも想像ができる。それでも、マスコミはこれをほとんど報道しない。彼らにとっては圧殺する対象だからだ。