ほぼ足りてまだ欲 その先

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運動能力

 私も、うちの父親も運動は好きだったけれど、能力的には実にお粗末だった。野球もそうだったけれど、ゴルフも下手っくそだった。そのくせ好きだった。親父の時代はやらなかっただろうけれど、私はテニスもやった。しかし、下手っくそだった。そういうのを「下手の横好き」と世の中ではそういった。上手くできるような気がするし、評論するのも好きだった。その代わり、何度でもいうけれど、下手っくそだった。
 水泳だって小学校4年になってようやく10m泳げるようになったくらいで、下手っくそだった。その10mだってお情けのような10mだった。それが(前にも書いたけれど)引っ越した翌年、5年生になって毎日泳ぎに行って完全に克服した。で、6年生になって転校した先の学校ではそもそもそれだけ泳げる子どもがいなかったので水泳の代表選手になってしまった。市の大会に選抜されて勇躍出場した。すると他校にはそれぐらい泳げるのはいくらでもいたので、決勝でビリだった。
 しかし、この「目立ちたがり屋」はまだ泳げない頃に在籍していた小学校の夏休みのプールを見て、何とかしてここで泳いで優越感を感じたいなぁと思ったことがある。下のものを巻き込んで自分の世界を作ろうとする卑屈、そのものの企みごとだ。
 世の中には上には上がいて、一番上にはオリンピックなんてのがあるんだけれど、そこまでの先天的な能力と、努力するという能力を兼ね備えたほんのひとつまみの人たちの集まりはずっと遙か先の霞んだところにあって、私のようななんの努力もしようと思わないぼんくらにはそんな世界でも一瞬ワクワクして、エキサイティングで緊張して、喉が渇き、足が震えるのだった。そんな瞬間を経験するのも人生にはやっぱり必要なんだろうなぁ。それにつけてもパラリンピックを見ていると、彼らの努力にはどこかで大いに報いてあげられる環境を作ってあげるべきだと思わないわけにはいかない。
 閑話休題、つまり、それくらい、私は運動には向いていないのだった。申し訳のないことにこれが娘に遺伝されてしまった。悪いのは父さんなのだよ、娘よ。