ほぼ足りてまだ欲 その先

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祝福

 友達の長男がようやく結婚して両親はホッとしたんだろうなぁと思ったら、母親が思わず「とうとう息子もとられちゃった」という。ほぉ、そういうものなのかと随分不思議だった。母親というものはそんな気持ちになるものなのか。すると娘が嫁に行く(このいい方が随分古いと云うことだろうが)というのが父親にとっては様々なことを感じるということになるのは当然なんだろうか。
 わが娘はほとんど結婚するつもりがなさそうだから私にとってはどんなことが起きるのか実証のしようがないが、どうも子どもの結婚というのは親にとって様々なことであるようだ。
 とても不思議で考えるとなんだかわからなくなるものなのだけれど、そもそも夫婦というものは全くの他人で、血も繋がっていなければ、それだから当然なのだけれど、なんの関係性もない。それなのに、血の繋がっている親や、子どもとくらべると私にとっては何よりもつながりが強い。これは一体何事なんだろうか。
 例えば関係性の深さからいったらこれほど縁の浅いものはない。あの時声を掛けなければ、あの時そんな精神状態にならなければ、こんなに長いこと生活をともにする相手となるわけがなかったのかと思うととても不思議そのものである。それなのに、電車の中でたまたま隣り合わせになった人とはなんの縁もなくて、それどころか、敵視する人すらいる。それはいくら何でもフェアじゃないだろう、というくらいのものだ。
 人生とはこれほどにその根拠は不明なものなのだ。