ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

昼飯

 中学高校は弁当だったから毎日お袋が作る弁当を新聞紙に包んで、ハンカチで包まれたものを手提げ鞄に入れて持っていく。当然横にして入れるんだから、良く煮物の汁がしみ出て、教科書にその匂いがついていた。
 サラリーマンになったばっかりの工場勤めの頃は、お昼といったら会社の弁当だった。赤いプラスティックの容器におかずが詰まっている。飯はといったらアルマイトの弁当箱なんだけれど、それごとスチームで炊きあげるそうで、時にはご飯の面が傾いていたりする。それを10分で喰ってすぐさま外に遊びにいった。しかし、それも4年目ぐらいになるとすぐさま机に突っ伏して寝た。
 東京に転勤になってからは会社の地下の食堂だった。300円ほどの定食か、盛りそばだった。会社の食券だった。ほぼ毎日早く食堂に喰いにいくという傍若無人ぶりだった。あれじゃ出世するわけがない。
 退職してからの学生生活ではもちろん学食だったけれど、後半は近くのスーパーで買ってくる弁当だった。なぜかというと若者の喋り声は得てしてやかましいのだ。
 今やほとんどが麺類である。夏場は蕎麦、素麺、冷や麦、冷やし中華のローテーションで、秋が深くなってくるとそれが餡かけ焼きそば、湯麺、ラーメン、スパゲティのローテーション。芸がないといえば芸がないのだけれど、わざわざ外に食べにいくのがもったいないというのもあるけれど、これなら最低限の費用で済むというのが大きい。
 どうせ外食するのであれば、ラーメンなんて喰いたくない。一食を無駄にするような気がするというところが「高齢者」たる所以。