かねて懸案の問題がようやく山を乗り越え、決着した。その処理に上野広小路まで行った。昼飯は一件落着祝でちょっとしたところで美味しく食べた後、随分久しぶりにアメ横を通った。一体何年ぶりだろうか。思い出すこともできないほど久しぶりに通った。鞄屋さんにさしかかると小さなころ付きバッグがいくつもできていて、ひとつを見始めたら、お店のおじさんが、こんなのもあると次から次に見せてくれる。驚くほどいろいろな種類のものがある。
食べ物屋さんが次々に入れ替わっていて、あれ?ここにあったあの店はどこへ行ってしまったんだろう?とあたかも浦島太郎状態だ。
かつてゼミの先生と肝胆相照らした「大統領」は健在なるも、その周りには何軒もあれに近いようなオープン・呑み屋ができていて、あたかも浅草のあの通りのようである。八百屋は小粒のミカンを山盛りにして売っているし、松茸も綺麗に飾って売っている。
昔は良く化粧品をここに買いに来たものだと連れ合いも思い出話だ。シャツやジーパンもここに買いに来たことがある。ブランドに拘って買ったものだ。今は格安衣料で十分だものなぁ。まるでアメリカのガキギャングの格好もここならすぐに揃いそうで、そんな格好をしている爺さんなんかを見ると、あぁこの街じゃないと格好悪いだろうにと察してしまう。決して安くないあんな格好を喜々としてきている爺さんというのは一体何者なんだろうか。この街も歌舞伎町と同じように不思議な様相を呈している。