ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

原発

 原子力発電所の仕事は仕様がとても厳しくて、溶接も有資格の溶接工が施工することが義務づけられていて検査もX線で厳重に品質管理していると聴いていた。なにしろ扱っているものが放射線を伴うものであるから、直接そこに関係しないような配管でも、そこから何かが起きたら影響が出ることが考えられるからでもある。しかし、システムとしてはフェイル・セイフ設計になっているから直ちに影響が出るとは思えないけれど、何を行うにしてもゼロからだからすべての仕様で高いレベルを保っていかなくてはならないと聴かされていた。
 それでも、しょっちゅうといって良いくらい、現場作業中、あるいはメンテ中に作業者が溶接棒の燃えさしを残してしまった、あるいはウェスが出てきたという話があった。そんなことを聴く度に、いやいや、こんな事は氷山の一角で、もっと他にもこんな事は起きているはずで、「完璧」「最上級仕様」と云っているのも眉唾の筈だと思っていた。
 多分その通りだろうけれど、もっと問題なのはそう思い込んでいたというだけだということだ。尤もどんなに「完璧さ」を追求したってこのシステムは最後の廃棄物処理が全く解決できていないわけで、こんな不完全なシステムに「完全さ」を求めていたことがどうも腑に落ちないのだ。