ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

米東部コネティカット州NewtownのSandy Hook Elementary Schoolで14日午前(日本時間同日夜)、男が校舎に侵入し銃を乱射した。地元警察によると、子供20人と学校長を含む教職員6人の計26人が死亡、少なくとも教員1人が負傷した。校内で自殺したとみられる容疑者の男の遺体が見つかった。死者の大半が10歳未満の子供だったことから米社会に衝撃が広がっている。
 米メディアによると、男は地元出身のアダム・ランザ容疑者(20)。容疑者の母親が以前、この学校に併設される幼稚園の教員だったという情報がある。母親は同日、ニュータウン市内の自宅で、銃で顔を撃たれ死亡しているのが見つかった。(毎日新聞 2012年12月15日08時37分 最終更新12月15日16時11分)

ロイター通信は高校時代の級友の話として、ランザ容疑者が母親から勉強するよう口やかましく言われていたと伝えており、警察は事件との関連を調べる。
 母親をめぐっては当初、小学校に併設される幼稚園部で働いたことがあり、殺害された子供の多くは教え子だったと伝えられたが、幼稚園部との関わりを否定する報道も新たに浮上、情報が錯綜(さくそう)している。(日本経済新聞 2012/12/15 23:07)

米国では個人が所持する銃が2億数千万丁に達し、銃による殺人や自殺で年間3万人以上が死亡しているとされる。ホテルなどで行われる銃の展示会「ガン・ショー」では犯罪歴や通院歴のチェックなしに銃を購入でき、犯罪に使われることも多い。(2012年12月15日23時45分 読売新聞)

 どうやらこの犯人、Adam Lanzaは黒の戦闘服の上から軍用のベストを着た姿で小学校に侵入したと報じられている。彼が17歳の時に両親が離婚したことがわかっていて、父親はそんなに離れていないところに再婚して暮らしているようだ。
 この種の事件の犯人について良くいわれるのと同じように、彼の過去を知る人に対するインタビューを見ると、口を揃えたように「あんなことをする人間ではなかった」「とても恥ずかしがり屋だった」と一様にいっている。犯行時、Adamは兄のRyan(24)のIDを身につけていたようで、当初は犯人は兄のRyanとされて、彼の顔写真が配布されたという。
 犯行に使われた銃は死んでいた母親の名義で登録されていたと報じられている。
 The Wall Street Journalによるとコネティカット州の銃所有規制は米国で最も厳しい水準にあり、同州では、拳銃を購入・携帯したい住民は詳細な身元調査を受け、許可を得なければならないし、攻撃用武器は同州では禁じられているという。
 米国憲法修正2条は、自らを守るための武器保有の権利を明確にしており、銃規制反対派が銃規制に盾突く論拠になっている。その上、銃規制に反対する全米ライフル協会(NRA)が政治的にも大きな力を持っている。つまり票田として大きな力を持っているということだ。
 だからオバマ大統領のコメントも「われわれは、政治的な立場はどうであれ、結束し、こうした悲劇を避けるために、意味ある行動を起こさなければならない」と微妙。
 映画監督のMichael Mooreが「Bowling for Columbine」で描いたそのままのまた繰り返しだ。
 この種の事件は米国では途絶えることがない。FBIの調査によると民間人が所持している銃だけで全米には2億丁の銃があるとされていて、公的機関が所持している物を入れると国民ひとりに一丁の計算ではないかとされている。だから、この種の武器を持っている人間は平均するとひとりで4丁くらい持っているのではないかと推察されているというのだから、これは相当に異常な社会だと云える。
 あんまり米国の実態を知らないけれど、40年前に米国に行った時に当時60歳くらいの白人と話した時に「なんでみんなで一斉に銃の所持を止めないんだ?」と尋ねると、彼は黙って首を横に振り、最後に「君たちには理解できないことだろう」といって多くを語らなかった。私の質問も単純だったけれど、彼の苦渋に満ちた表情は覚えている。あの頃からもうどうしようもない状態に陥っていたはずだ。
 30年ほど前に米国人の家に泊まっていた時には、与えられた部屋のベッドで何気なしにベッドの下に手を伸ばしたら、何かが触ったので取り出してみるとそれはライフルだった。この家の旦那に聴くと、普通の家で普通のことだ、一度撃ちにいくか?といわれた。
 こうなると誰も彼もが何らかの武器を持たないで暮らせないのかと思うけれど、実態はそうは思えない。普通に暮らしていればそんなものに手を触れる経験を全くしない人が当たり前じゃないだろうか。
 米国のエスタブリッシュメントは一度握った利権は何が何でも話さない。保険もそうだし、資源もそうだし、食糧だって彼らのやりたい放題だ。そのままのロジックをそのまま他国にも持ち込んで草刈り場にしようとする。だから、大きな軋轢を生む。
 国防軍、TPP、原発遺伝子組み換え作物オイル・・・みんな影響を受けている。