ほぼ足りてまだ欲 その先

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投票率

 未だ各都道府県の最終投票速報が出ていないので、一体今回の投票率がどれほどになるのだろうかという点については大変に興味深かった。ここまで危機的状況にある国内外の情勢を鑑みるとこれまでにないくらいの高い投票率となるのではないのかと内心大変に期待していた。ひょっとしたら60%を超えるのではないかと。
 ところが投票締め切り1時間前になっても投票率は上がってこなかった。前回の投票実績に比べても、東京都でいうとほんのわずかに上回っている程度だった。前回を下回っていたのは中央区青梅市福生市奥多摩町檜原村三宅村というくらいだった。
 今回の衆議院選挙では投票する候補者がいないといっている人が多く散見されたし、実際にfacebookでも「消去法に過ぎない」といって憚らない人もいた。
 しかし、今この国が置かれている状況を考えると、まず第一に原発をどうするのか、4機が壊れて放射線汚染をし続けていて、各現場でも活断層が見つかり、この先の災害が起きたらどうするつもりか、といったら、これは明確に止めなくてはならないし、処理方法が見つからない以上、石棺化していかなくてはならないのは目に見えている。だから、「原発は依然として動かし続けていく」と断言している政党にはこの国は任せられない。にもかかわらず、「原発は推進する」と断言している自民党にこんなにたくさんの人たちが投票したことをどう考えて良いのだろうか。
 彼らは「原発」はこのまま稼働させてもかまわないと考えたということになる。彼らは福島の現状は「仕方がない」と考えるということであるし、この先放射性汚染物の処理を次の世代に委ねてしまうということになる。
 次に自民党憲法を改正して自衛隊国防軍とし、徴兵制を導入すると公約で宣言している。つまり、彼らは日本という国が戦争に向かう道を辿るべきだと宣言したということになる。
 ナチスが台頭した第一次大戦後のドイツにそっくりだ。この場合のスケープゴートユダヤ人ではなくて、中国人であり、朝鮮半島に住む人たちだということになって、1930年代の日本に戻っていくということになる。しかし、こちらが昔に戻っていったとしても、相手は全く違っている。
 私にはこの国の国民がそうした道を選択しているとはとても考えられない。もうそういう外交は止めようと決意したはずだ。それでもこれだけの人たちがそういう考え方に共鳴したということになる。
 中国も韓国も尖閣諸島竹島の領土問題で日本と対立することになった。ついこの前まではこの領土は問題にならなかった。双方がそれを取り上げたら後に引けなくなってしまうと思っていたからだ。ところが「後に引けないなら前に進んでしまえばいいじゃないか」と主張するグループが出てきてしまったということだろうか。
 格好良いかも知れない、大きな声を出して相手に罵声を浴びせればスカッとするかも知れない。「あんなこといわれて黙っているなんて腑抜けだ!あいつらをぶっ飛ばせ!」といえば威勢はよいだろう。その先には一体何が待っているというのか。それを想像することはないのか。
 国を守るためだったら死んでも良いと宣言するのは肯定的なメンタリティーの中に存在することができるパターンだろう。その一言のために350万人は洗脳されて無駄死にしたのだ。
 次の4年後の選挙で私たちはどんな選択肢が残されていることになるのだろうか。