ほぼ足りてまだ欲 その先

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最後の同潤会アパート

 もはや今の若い方々は表参道の「ヒルズ」(どこが丘やねん?!)が昔は同潤会と呼ばれる財団が大正時代末期から昭和時代初期にかけて各所に建てた当時の最先端居住施設のひとつだったことを知らないだろうし、それは無理もない話だ。今は一番青山通りに近いところにほんのわずかにその片鱗が残されているだけだけれど、かつてはずいぶん洒落た集合アパートだったし、これを記録した書物も随分たくさん出版されたからその気になって探すと写真を見ることができる。
 その最後のものは1929年に建てられた銀座線・稲荷町駅の北側に今でも建っている「同潤会上野下アパートメントハウス」である。非常に味のある雰囲気だけれど、いかんせん老朽化は否めない。それが今回とうとう解体されることになったらしく、下に入っているいくつかの店も次から次に店を閉めた。もうすぐに見られなくなることだろう。これで同潤会アパートはこの世から消えてしまう。