昔の芸人にしてもミュージッシャンにしても、みんな相当にハチャメチャで、そのハチャメチャな故になんだか周りから一目置かれていたという傾向があるような気がして本当にカリスマだっていうのかねぇ、と疑問に思っていた。
例えば相良直美や尾崎紀世彦、ジャイアント吉田やいかりや長介も所属したことがあるジミー時田とマウンテンプレイボーイズのバンマスと来れば、あの甘い声と八重歯のジミー時田だけれど、彼なんかはもう酒はガンガンだった。そのジミーと繋がっていたひとりが立川談志で、これもまたぐでんぐでんに酔っぱらってはジミー時田が出ている店に顔を出したりした。そのジミーのマネジャーという人だって、ジミーと一緒にぐでんぐでんに酔っぱらっているのを見たこともある。みんな平気でぐでんぐでんだった。
エレキの神様といわれるあのギタリストはやたらと強面で通っていた。本当にぶん殴ると聞いていた。訛りの強いあの調子でやられると相当怖わそうだ。
今でもそんな風潮が残っているのかも知れないけれど、若い人たちの中ではもうそんなことは起きないだろう。
無理遍にげんこつと書いて「相撲」と読ませると云っていたあの業界はどうだろう。叩き殺しちゃった事件が起きて少しは良くなったのだろうか。あの平気で殴っても良いという風潮は旧日本軍からそのまま引き継がれて自衛隊でも、体育会系の世界でも戦後、そのままだった。
では、旧日本軍の中でやたらと殴ってもOKだという風潮はどこから生まれてきたのだろうか。やっぱり武士社会の切り捨て御免あたりがその根源だろうか。すると、明治からその武士の無茶苦茶論理が官軍に引き継がれ、それが旧日本軍に引き継がれたと考えるのが自然なんだろうか。
とすると、全柔連は武士の思想を引き継いでいるということか。