ほぼ足りてまだ欲 その先

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ナバホ


 

 この本が出版されたのは1981年3月だとされている。著者は当時山梨で高校の先生をしていた方だと奥付に書かれている。ナバホ・インディアンのコミュニティを取材した、いわば紀行文といっても良い内容であるけれど、後書きを読むと1978年に取材をしたものであることが知れる。私が生まれて初めてユタ州の州都でモルモン教(The Church of Jesus Christ of Latter-day Saints)の総本山があるSalt Lake Cityに2ヶ月半滞在したのは翌年のことで、この年に初めてモルモン教アメリカン・ネイティブの聖職者が誕生したのだと書かれている。
 当時、街の中、ダウンタウンに行くとアメリカン・ネイティブの若者たちがたむろっている一画があったことをうすうす思い出す。University of UtahのWinter termに「Indians' Law Problem」という講義があって、2回、講義を聴きにいったことがある。若い教員が数人の学生を相手に、分厚い書籍を広げて、そこに記載してあるアメリカ政府とそれぞれのアメリカン・ネイティブとの間に交わされた各契約をそれに基づくトラブルについて報告しあうのだけれど、臨床的な側面をネイティブのある部族のChairmanをつとめる壮年の男性がコメントするというやり方で成り立っていた。私は全くのオブザーバーで、それもたった2回参加しただけだ。挙げ句の果てに学校の構内に駐車した車にIllegal parkingの切符を貼られて罰金を払うという経験までした。
 数年前にモニュメント・ヴァレーに行った時に、これを読んでおけば良かったのにと今更ながらに思うのだけれど、一体この本はいつ頃どこで入手したのか、それがわからない。古本屋だろうと思うのだけれど、その形跡が発見できない。図書館の廃棄本でもないことは確実だ。ひょっとするとどこかの書店で見つけて当たり前に入手したのだろうか。裏表紙に貼ってある定価を見ると2,575円で本体2,500円としてあるところを見ると消費税が3%の時のものである。従って1989年4月以降1997年4月までの間に誰かしらの手によって本屋から買われたものである。
 そういえば消費税が5%になった時も「福祉を充実させる」ということになっていたはずだ。全然充実されていない。