先日の浦和レッズのゴール裏に掲げられた「JAPANESE ONLY」という横断幕掲揚事件はクラブの対応がいかなるものとなるのかについてかなり危惧をした。ここのところの明らかに右傾化する日本の軽薄な風潮はマスコミもこれを当たり前として取り上げる風潮が産経系を中心にラジオ、テレビ、新聞によく見られる。私はこれが当然のように雪崩れて行ってしまうのではないかと危機感を抱えている。
しかし、遅まきながら浦和レッズは当該観客に対して入場制限を課すことにしたのだそうだ。まだ、大丈夫なのかも知れないという希望を持ち得た。
Jリーグを当初から取材してきた朝日新聞の潮智史編集委員がこんな事を書いている。
Jリーグが始まった当時、過激さを含めて欧州の応援をまねするような風潮があった。いまや家族連れでも安全で安心できる環境は世界に誇れるものだ。
今回の行為に感じるのは、浅はかさである。
人を傷つけ、大きな問題になるとは想像できなかったのだろうか。その安易さには、どこにでも広がりかねない怖さを感じる。(朝日新聞2014年3月11日05時00分)
追記(20140313)
Jリーグは13日、浦和に対して23日の本拠での清水戦を無観客試合とする処分を下した。22年目を迎えたJリーグ史上初で、最も重い処分。(朝日新聞2014年3月13日13時12分)
Jリーグの現場での動きは遅きに逸した感があったけれど、今回のこの処分は評価されてしかるべきではないだろうか。同時に浦和レッズのクラブおよびサポーターの中に真剣な論議が起こることを期待したい。