ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

事態はここまで

 自民党の広報紙たる産経新聞であるけれど、例の韓国のフェリー沈没のついでに(どう考えてもついでとしか思えない)、あたかも戦前の尋常小学校読本にでも載っている肉弾三勇士の話かと見まごう話題を提供してくれちゃっている。
 「どの国にも、いつの世にも、自己犠牲を厭わぬ「英雄」がいる」として取り上げたのはナント日清戦争中の鴨緑江海戦である。
血だるまで横たわる三浦虎次郎三等水兵が「声を絞り上げて「沈んだか」と尋ね、戦闘不能を聞いて「微笑を漏らしつつ 息絶えた」と続ける(これは当時歌になったらしい)。これが「あっぱれな愛国心と責任感」だと云い、例の韓国の沈没船の船長をこき下ろした積もりのようだ。
 その上《日本武士は、その正義と真理のため生命を惜しまざる犠牲の精神に共鳴して神の道に従った。武士道がある限り日本は栄え、武士道がなくなるとき日本は滅びる》と続けるのである。(政治部専門委員 野口裕之
 彼らは生まれてくる時代を間違えた。あと90年ほど昔に生まれてきていたら、当時の直情的な、人間が死ぬことを美として捉えるというマゾ的な思考が大手を振って暮らせることができたのに、はなはだ残念なことをしたといって上げよう。
 どうせ取り上げるんだったら第一中央汽船のかりふぉるにあ丸の船長のことでも取り上げたらどうだ。どうせ奴らは知りもしないことだろう。
 もう一度鎖国したらよいのだ。そうすれば好きに暮らせるよ、君たちも。