ほぼ足りてまだ欲 その先

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負の遺産

 第二次大戦中、ドイツは自国の中で様々なことをした。もちろん他国に進駐しても様々な悪いことをした。それは日本も同じだ。
 ドイツは国内にも様々な強制収容所を作った。他国からも強制労働の人たちを集めてきた。政治犯も強制収容した。秘密警察も暗躍した。コミュニストだといわれた人たちもかなりの数に上る。みんなと同じ様に片手を上げて挨拶や国歌を歌わなかったからコミュニストだとして強制収容された人たちもたくさんいた。もちろんユダヤ人を殲滅しようと強制収容した挙げ句に片っ端から殺して行った。ソ連と戦って、捕虜にした連中をどんどん強制収容所に入れて殺しもした。
 そうした施設をドイツではそのまま残し、一部に施設を復旧し、どんなことが行われたのか、どんな人がどんな人生を通じて、こんなことに手を染めたのか、どんな人がどんな経路をたどってこんな施設で殺されたのか、記録にして公開している。どこの企業の工場で働かされたのかも記録として残しており、それを補償した。
 日本国内にも多くの強制収容所といって良い捕虜収容施設があり、連合軍の捕虜たちも強制労働をさせられ、骨と皮になり、多くの同僚をなくした。植民地からもどうしようもなくなった人たちを労働につかせた過去がある。多くの人が奴隷労働を強いられ死んだ。
 しかし、日本にはそれを未来永劫伝える施設がない。むしろ「もういいじゃないか」という雰囲気に覆われてきている。そんな施設を巡るツアーなんて聴いたことがない。口を拭っている。
 ドイツとここが違っている。